第49章 手放せない愛を抱えて
「万次郎くん…」
「ん?」
「好き…」
「……………」
「大好き」
「アイツよりもオレのほうが好きって誓える?」
「はい」
目元を緩め、優しげに微笑んだカノトの言葉に一瞬驚いた表情を浮かべたが、すぐに嬉しそうに笑い、カノトを抱きしめた。
「うん、オレも好き。大好き。」
嬉しそうなマイキーの声を聞き、カノトも嬉しくなり、抱きしめ返す。
「カノってあっちでも男装してんの?」
「流石にもう止めました。今は仕事もしてるので服も普通に女物ですよ」
「仕事って何してんの?」
「看護師です」
「白衣の天使だ!」
何故かマイキーは目をキラキラと輝かせる。
「てコトは…ナース服か」
独り言のように呟き、顎に手を遣り、何やら真面目な顔で考え込んでいた。カノトはマイキーの考えていることがお見通しなのか、呆れたような眼差しを向けている。
「いかがわしい妄想しないでくださいね」
「何だよ、いかがわしい妄想って。」
「万次郎くんの考えてる事なんて手に取るように分かります。それと期待を裏切るようで申し訳ないんですけど、スカートじゃなくてパンツスタイルに変更されてますから」
「は?何で変更してんの?」
「知りませんよ。この時代はまだワンピースタイプなんですね。未来じゃほとんどがパンツスタイルになってますよ」
「裏切られた…誰だよ変更した奴。マジで許さねぇ。カノのナース服姿想像したのに!パンツスタイルって何だよ!えっちじゃねーじゃん!」
「すぐそういう妄想しますね」
「カノだからすんの!他の女でエロい妄想するわけねーだろ!」
「私以外の女性にそういう妄想したら問答無用でぶん殴りますよ」
「マジで殴られそ〜w」
「本気ですからね」
ケタケタと可笑しそうに笑うマイキーに真面目な顔を浮かべてガチトーンで返す。
「オレが入院したら付きっきりで看病してもらおっかなー」
「(嫌な予感しかしない。)」
「ナース服のオマエがベッドで寝てるオレの上に跨って、えっちなことしてくれんの」
「そ、そんなことしません!」
「妄想だって」
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