第49章 手放せない愛を抱えて
「未来のカノのことが知りたい」
「!」
「大人になったカノって、今よりもすげー美人になってるのは確かだろ?あ、今も十分美人だからな!」
「あ、ありがとうございます。美人になってるかどうかは分からないですけど今よりは背も多少伸びてるし、成長したと思いますよ」
「髪は短いまま?」
「いえ、背中くらいまであります。髪の横は編み込みしてヘアピンで留めてます」
「編み込みってそれ?」
「はい」
今のカノトの髪も横で編み込みにしてヘアピンで留めている。
「その編み込みってさ、未来のオレが編み込みにしてって言ったからしてるんだろ?」
「まぁ…そうですね。それが約束なので。」
「……………」
「万次郎くん?」
「相手は未来のオレって分かってるけど…カノがそいつとの約束守るためにずっと髪編み込んでんのムカつく…」
「自分自身に嫉妬しないでください」
「嫉妬するに決まってんじゃん!オマエはオレのなのに!カノがオレ以外の奴のお願い聞いてんのすげーやだ!」
「(あぁ…拗ねてしまった。)」
「なぁソイツよりオレのほうが好きだよな?」
「えぇ…?」
また面倒なことになりそうだなと思いつつも口には出さず、マイキーから言われた言葉に正直に答える。
「どっちの万次郎くんも好きですよ」
「は?好きな奴が二人いるってこと?何、カノ浮気?」
「違いますけど」
「だって今のオレも未来のオレも好きなんだろ?それって浮気じゃん!どっちか一人に決めろよ!もちろんオレのほうが好きって答えるよな?もしそうじゃなきゃ監禁する!」
「恐ろしいこと言わないでくれます?流石にどっちか一人は決められませんよ。そもそも未来の万次郎くんは今の万次郎くんが成長した姿だけなので浮気じゃないです」
「オレの方がカノと長くいんのに…何でそいつも好きなんだよ。オレだけでいいじゃん!」
カノトが自分以外の異性を好きというのが許せないマイキー。例えそれが未来の自分でもだ。
「オレだけが好きって言え!」
「そんなこと言われても…」
「言わねぇと本当に監禁して閉じ込めるからな!」
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