第49章 手放せない愛を抱えて
「我儘ってそれですか…?」
「それも含めての我儘。お泊まりデートしよ」
「お泊まりデート?」
「前に言っただろ?お泊まりデートしようって。朝からデートした後、オレの部屋に泊まって、いっぱいえっちしよ❤︎」
繋がれた手がギュッと握られる。確かにお泊まりデートの約束をした。その約束から少し時間が経ってしまったけど漸く叶いそうだ。
「いいですよ」
「珍しく素直じゃん」
「私も万次郎くんと一日中一緒にいられるのは嬉しいので」
「オレもすげぇ嬉しい」
「(それにこれが最後かも知れないし…)」
「カノを好きになってからすげぇ欲張りになってる気がする」
「欲張りですか?」
「うん。めっちゃ求めるようになった。カノとあれしたいこれしたいって。オレの我儘とか聞いてくれるから調子に乗って欲張っちゃうんだよな」
「例えばどんな欲張りですか?」
「そうだなぁ…」
うーん…と悩んでいたマイキーだが、ピンッと閃いたような顔をした後、にんまりと笑った。
「例えば…えっちの時、カノを気持ち良くさせたいけど、オレのことも気持ち良くさせて欲しい…とか?」
「っ!」
「あはは!顔真っ赤!これくらいで照れるとかホント可愛い〜!」
「それは欲張りじゃなくて我儘とも言うんです!!あと笑わないでください…!!」
「我儘なオレも好きなくせに〜❤︎」
ニヤニヤと笑うマイキーに揶揄われ、反論の一つでも言ってやろうかとも思ったが、我儘なマイキーも好きなのは図星なので、黙って聞き流すしかなかった。
「楽しみだなお泊まりデート♪」
「(最後って思うと素直に喜べない…。私が未来に帰った後、この時代の『私』が万次郎くんの傍にいるんだよね。これからの思い出は私じゃなくて…過去の私と作るんだ。)」
モヤッとした感情が芽生え、心臓がキュゥゥッと締め付けられる。
「そう言えばさ」
「!何ですか?」
「今のオマエって、12年後のカノなんだよな?」
「はい」
「ということは…26歳?」
「そうですよ」
突然どうしたんだろうと不思議に思っているとマイキーが興味津々に聞いてくる。
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