第49章 手放せない愛を抱えて

「二人とも、その背中はそこにいる誰よりもでかくて、沢山のモノを背負っているように見えた」



『オマエら本当に中学生？』



「カノはすげぇな…」



「私はタケミチくんをサポートしただけです。いつも体を張って頑張っているのは彼の方ですよ」



「体張って頑張ってんのはオマエもだろ。タケミっちと違って女の身体なのに、大事なモン守る為なら絶対に諦めねーじゃん」



「！」



「オレ、カノと出逢えて良かった。カノを好きになって本当に良かった。オマエはオレの宝物だ。毎日思うよ、カノのことが愛おしくて堪らないって」



「そんなの…私だって思ってますよ」



「そっか。じゃあオレらお揃いだな」



マイキーは微笑を浮かべて、ふっと笑みを零す。



「辛いのに話してくれてありがとな」



「私が話したかったんです。こちらこそ、話を聞いてくれて有難うございました」



いつの間にか涙は止まっていて、繋いだ手を離したマイキーは顔を寄せ、カノトの目尻に触れるだけのキスを落とした。



「なぁカノ」



「はい？」



「オレの我儘、聞いてくれる？」



「いいですよ」



「まだどんな我儘か聞いてないのに、そんなにあっさり頷いちゃっていいの？もしオレの我儘が"えっちなことさせて！"だったらどうすんの？」



「え!?」



「オレ、カノに拒否られんの嫌いだから嫌でも我儘聞いてもらうことになるけど？」



意地悪そうにニヤリと笑うマイキーの我儘がそんなことだとは思わず、カノトは困った顔を浮かべる。



「あの…万次郎くん」



「なぁに」



「えぇっと…」



「それともカーテン閉めて今からオレとベッドの中でイチャイチャする？」



「っ…………」



ぐっと体を寄せてきたマイキーとの距離が縮まり、カノトは焦ったように狼狽える。



「さ、さっき断りましたよね!?」



「でも明るくなきゃいいんだもんな？」



「それは…」



「えっちなことしていい？」



「………だめ。」



「ふはっ、声ちっちゃw」



頬を紅く染めながら恥ずかしそうに呟いたカノトにマイキーはくつくつと笑いが洩れた。



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