第49章 手放せない愛を抱えて
「んっ……」
マイキーが顔を近付け、カノトにキスをする。チュッと唇が重なるとカノトから小さく声が洩れ、それすらも愛おしいと思ってしまうマイキーはもっとキスがしたくなり、カノトと深いキスを交わす。
「んっふ!?んんぅ…んッ」
突然舌が絡められたことに驚いたカノトは目を見開き、マイキーの腕を掴む。
「んぁ…ん…はぁ…あ…んぅ…んん…っ」
「カノ、好きだよ」
「ん…んむ…んぅ…は…ぁあ…んん…んッ」
「好き過ぎてどうにかなりそうなくらい…オレはオマエが愛おしくて堪らないんだ」
「ん……はぁ……んぅ……う……ん……」
卑猥な音が耳に響く。カノトの目がすぐにとろんっと蕩け、マイキーから囁かれる重い愛の言葉に嬉しさを感じる。
「だから…ずっと傍にいてくれ」
「私、は…ずっと傍にいます」
切なげに呟かれたマイキーの声はどこか泣きそうにも聞こえた。カノトは頬を紅く染めながらマイキーを安心させるように微笑んで言う。
「約束したでしょう。どんなことがあっても絶対に万次郎くんの傍を離れません。何があっても貴方の味方でいます」
「カノ…」
「私は万次郎くんと一緒に未来を歩むと決めたんです。ふたりで幸せになるために。だから万次郎くんを独りにさせるつもりはないです」
「あー…ほんとズリィ。」
「万次郎くん?」
「何でいつもオレを喜ばす言葉ばっかくれんの?オレの幸せも一緒に願ってくれるのって、カノくらいだよ?だから余計に手放せなくなってるって分かってる?」
「いいですよ、手放せなくても。だって…私は万次郎くんと一緒に幸せになるって決めたんですもん。貴方のことが誰よりも大好きだから」
「今更手放す気なんてねぇよ。オマエと離れるなんて二度と御免だ。カノとふたりで幸せになるって決めたからな」
「はい」
マイキーは嬉しそうに笑い、カノの手を手を取り、指先を絡めて繋ぐ。
「あったかいな、カノの手…。いつもオレを救ってくれる優しい手だ」
繋いだままの手を唇に引き寄せ、目を瞑って、柔らかそうな手の甲にチュッと唇を押し当てる。
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