第48章 打ち砕かれた野望
「バカが!!人の上に立つのに腕力なんていねぇんだよ!!!」
「ぐわっ」
稀咲から頭突きをもらい、痛む箇所を両手で押さえるタケミチ。
「何を達成するにも必要なのは、緻密に作り上げられた完璧な計画だ!!」
「完璧な計画だと…?」
稀咲に飛び掛り、また馬乗りになる。
「オレごときに潰されて何が完璧な計画だ!!?」
「うるせぇ!!」
二人は揉み合ったまま地面をゴロゴロと転がり、今度は稀咲がタケミチに馬乗りになる。
「オレはダークヒーローになるハズだった。最初の計画はドラケンを殺し、ナンバー2の座を奪い、裏から東卍を操る」
稀咲は拳を振り上げる。
「2つ目は首のない天使(芭流覇羅)を作り、東卍を潰し、マイキーを首(トップ)にすえる」
そして振り上げた拳はタケミチの顔面を殴りつけた。
「3つ目は天竺をけしかけ東卍を潰し、マイキーをオレが操り、裏社会を牛耳る。全て完璧な計画だった。潰せるワケがねぇ!!"ある可能性"を除いて…」
稀咲はタケミチの胸ぐらを掴む。
「うおぉお!!」
「くっ」
押し倒された体勢のまま、思いきり蹴り飛ばすと、吹き飛んだ稀咲は地面に倒れた。
「今でも鮮明に覚えてる」
そう言って立ち上がるタケミチ。
「燃え上がる炎、立ち上る黒煙、その前でオレは誓った。東卍のトップになる。」
「?」
「それがこの場所だ、稀咲。ここは未来でオマエが橘日向を殺した場所。何度も過去と未来を行き来したこの戦い、ここで決着つけようぜ稀咲!!」
「…ハハ、やっぱりそうか…。オマエもタイムリープしてんだな」
「"オマエも"?」
「とぼけるなよ。宮村心叶都。アイツもオマエと同じでタイムリーパーなんだろ?」
「!?」
タケミチの反応を見た稀咲はニヤリと笑う。
「ハハハハ!そうか!そういう事か!!ハハハ!オマエらが本当にタイムリーパーだったとは!!」
二人が未来から来たと確信し、笑いが止まらず、頭を手で押さえる。
「稀咲!オマエはなんでヒナにこだわる?」
その質問に稀咲がピタッと笑うのをやめ、タケミチを見た。
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