第47章 12年後に死んでしまう君へ

「オマエも"やるべき事"があるんだろ？その為に不良の世界に足を踏み込んで、今までずっと頑張ってきた。タケミっちと違って、女の体で命張ってな」



「ドラケンくん…」



「オマエの後ろにはオレらがいる。だから何も恐れず、自分のやるべき事を全うしろ!!」



「はい…！」



"こんなにも心強い味方がいるだろうか"とカノトは感動する。"無敵のマイキー"と"東卍のNo.2"。この二人が後ろにいてくれるなら何も怖いことなんてない。



「(私の"やるべき事"は決まってる。兄さんを殺した犯人を見つけ出し、大事な人達を救う事。それと私の幸せな世界を取り戻す。兄さんや万次郎くん、みんなのいる"当たり前の日常"を…。)」



"必ず"───そう心に強く誓った。



するとマイキーの蹴りが容赦なくイザナに振り下ろされるが、当たる寸前で横顔を守るように腕でガードしたイザナ。



「うぁお♡‬」



「！！」



核弾頭のような蹴りの威力はイザナの腕をビリビリと痺れさせた。しかし、嬉しそうに笑うイザナはバッと距離を詰める。



「すげー蹴りだね!!マイキー!!」



それに多少驚いて体勢を崩すものの、イザナの首目掛けて足を振り下ろすマイキーだが、これも腕でガードされてしまう。



「崩した体勢からでもこの威力!?やべーな!!!」



まだまだ喋る余裕のあるイザナに隙を与えず、蹴り技を仕掛けるマイキー。それにイザナも蹴り技で対抗し、再びマイキーの蹴りが止められてしまった。



「天性のバネとバランス感覚！"無敵"と謳われるだけはあるな」



「(万次郎くんの蹴りが何度も止められる…。黒川イザナ…万次郎くんと互角の強さなんて。)」



「いーね！久しぶりに気圧(ﾃﾝｼｮﾝ)が上がる♡‬」



愉しげに声を弾ませ、狂気にも似た笑みで、向かってくるマイキーの顔を蹴り飛ばす。



「でももう見切っちまった」



背中から地面に倒れ込んだマイキーに東卍メンバーは驚いた顔を浮かべる。



「(万次郎くんが蹴り倒されるなんて…今まで…こんな姿見た事ない…)」



「圧倒的戦才(ｾﾝｽ)！それこそが黒川イザナの魅力(ｶﾘｽﾏ)!!」



「(万次郎くん…っ)」



カノトは心配そうにマイキーを見る。



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