第47章 12年後に死んでしまう君へ
「(それに二人も仲直りしてる。)」
病院での出来事を知っているからこそ、ホッと安堵した表情を見せ、小さく息を吐いた。
「どうした?オマエら。」
マイキーが笑って後ろを振り返る。
「楽しめよ!!祭り(ケンカ)だぜ!?」
歯を見せて勝気に笑うマイキーは気合十分と云った雰囲気を漂わせる。
「オラぁ声出せ東卍!!」
「ケンチン声デカッ」
「(流れが…一気に変わる!!)」
マイキー達が駆け付け、抗争に参戦した事で、天竺側に傾いていた流れが一気に東卍に戻った。
「嗚呼…耳鳴りが始まった。どんなトリックを使ったのか知らねぇけど、計画が狂っちまったなぁ?稀咲。」
カランと耳鳴りが音を立てて揺れ、イザナはダッと地を蹴ると、一気にマイキーとの距離を詰める。
「!!」
イザナの振り被った足がマイキーの顔面に直撃した…と思いきや、寸前で腕を交差してガードしたおかげで怪我を負う事はなかったが、凄まじい力で蹴り飛ばされたマイキーは地面に両足を付いたまま、ズザァァァッと後ろまで離された。
「マイキー!!」
「速ぇ!!」
「(流石イザナ…蹴る力が半端ない。でも…蹴り技なら万次郎くんだって負けてない!)」
「真一郎を亡くし、エマを亡くし、どうだ?空虚(カラ)になった気分は?」
「カタつけようぜ、兄貴(イザナ)」
マイキーとイザナの総長同士の戦いが始まり、ピリついた空虚が流れる。
「…どーやって立ち直った?」
「(万次郎くんとイザナの頂上対決…。この戦いで東卍と天竺の勝敗が決まる。)」
緊張からゴクリと生唾を呑み込み、二人の対決を見守る。
「『未来から来た』…か」
ドラケンの言葉にカノトとタケミチは心臓がドキッと跳ねる。
「ウソみてぇな話だけど、ずっと必死なオマエらを見てきたからな…」
「ドラケン君」
「信じて…くれるんですか…?」
「信じるよ」
迷う事なく、ハッキリとそう告げた。
「オレとマイキーがオマエの両腕になってやる。オマエはやるべき事を成し遂げろ!!」
ドラケンはタケミチを見て言った。そして視線はカノトに移る。
「カノ」
「!はい。」
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