第46章 東卍vs.天竺
「上等だこのヤロォ!!東卍からはテメェが出ろ!!そのクソ生意気な態度とクソ腹立つ顔を殴り潰して、本当に後悔するのはどっちなのか思い知らせてやるよ!!!」
「貴方が僕の顔を見てクソ腹立つと思うのは、僕が美形だからです。僻まれても困ります。」
「誰が僻むか!!マジでぶっ潰す…!!」
ブチ切れた斑目がズンズンとこちらに向かって歩いて来るのを見たタケミチは"まずい…!"と焦りの色を顔に浮かべ、カノトを守るように慌てて自分の背に隠す。
「テメェの相手はオレだ」
「!ぺーやん君」
斑目の前に飛び出したぺーやんは、顔だけを後ろに向ける。
「オマエは今日"総長代理"だ。控えてろ!」
「!」
「あと宮村、挑発は程々にしとけ」
「……………」
そして顔を前に戻し、斑目を見た。
「東京卍會参番隊隊長代理、林良平だ。」
「ど───でもいい!!東卍は全員オレ一人で殺る」
ずいっとぺーやんに至近距離で顔を近付け、ピキピキと目元に青筋を浮かべる斑目の迫力に、東卍はゾクリと背筋を凍らせる。
「この魁戦は大事だぜ。勝った方の士気が上がる」
「大事さに気付いたか。もうおせーけどな。獅音は天竺きっての"狂犬"だ」
「いけ!獅音君!」
「ビビってんじゃねぇぞ東卍!!」
「オマエらさっきからよぉ」
「!?」
斑目の顔面にぺーやんの拳がめり込む。
「何言ってっかわかんねぇんだよ!!」
狂犬と恐れられた斑目を一発でノしたぺーやん。さっきまで騒いでいた天竺のメンバーも一瞬で倒された斑目を見て言葉を失う。
ぺーやんの強さにイザナも目を見開いた。
「(えぇ!?一発で仕留めた!?しかも殴った時の音が"メキョッ"だったよ!?ぺーやんくんってこんなに強かったっけ!?)」
「ウソ!?え?おわり?」
これにはカノトもタケミチも驚きを隠せず、開いた口が塞がらなかった。
だが東卍のメンバーは今のぺーやんの強さを見ても驚かず、むしろそれがぺーやんの強さだと分かっているのか、真剣な表情で真っ直ぐにぺーやんを見つめている。
「タカちゃんが言ってた。"ぺーやんはアホだけど腕っぷしならオレより上だ"ってね」
「三ツ谷くんより上って…」
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