第46章 東卍vs.天竺
「すまねぇ…」
「ありがとう、千冬くん」
「三人だけじゃねぇぞ!」
「!?」
「オレも一緒に行くぜ!タケミチ!!」
「アッくん!」
みんなが引き上げて行く中で、アッくんが声を張って叫び、タケミチを見る。
「いつでもそうだったな!逃げねぇのはタケミチだけだった!あと宮村も!」
「千堂くん…」
その言葉に帰ろうとしていたみんなの足がピタッと止まる。そしてアッくんに続き、他の三人も『オレも!』と名乗り出て、前に歩いてきた。
「一緒に天竺に乗り込むぜ!!」
「みんな…」
「(彼の友達は本当にみんな優しいな。)」
「タケミっちはよぉ、"勝てるケンカ"はしねぇんだよな」
「え!?」
「ウソッ」
「病院抜け出してきたぜ!」
「スマイリー君!!?」
片目を包帯で覆ったスマイリーが、車椅子を押してくれているアングリーと共に現れた。全員が驚いた顔を浮かべる。
「バカだからな。タケミっちはいつでも逃げねぇんだよ。それにカノも。オマエの頑張る事を諦めない強さが、たまに挫けそうになるタケミっちの心にも勇気を与えてくれるんだよな」
「三ツ谷くん!!」
その後ろから八戒に車椅子を押された三ツ谷も頭に包帯を巻いた状態で現れた。
「こいつら二人も連れてってやってくれよ」
「オマエ一人に東卍背負わせないよ」
「なぁ?恩人!」
「アングリー君…八戒…」
「オマエら…正気かよ?」
あまりの無謀さにイヌピーが目を見開く。
「勝算はねぇ!!でもここで逃げたら東卍は終わりだ!東卍(オレら)が東卍(オレら)であるためには証明するしかねぇだろ!!」
千冬が声を張り上げて叫ぶ。
「マイキー君がいなくたって東卍は負けねぇってよぉ!!」
みんなの顔つきが真剣な表情に変わる。
「東卍は強いチームです!!マイキーくんがいなくても絶対に負けません!!最後まで諦めなければ必ず勝機は訪れます!!だから天竺の連中を後悔させてやりましょう!!喧嘩を売る相手‹チーム›を間違えたと!!」
「オオオオオ!!!」
「東卍!!」
「東卍!!」
先程とは違い、みんなが声を揃え、東卍コールを叫び出す。
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