第46章 東卍vs.天竺
「…そうだよな」
「そもそも抗争(ケンカ)なんてしてる場合じゃねぇだろ!」
「引くべきじゃね?」
「(引けないんだよ。天竺に勝って、最悪な未来を変えなきゃいけない。でも…あの二人の不在が、みんなのやる気を削いでる。)」
「確かに、今日引いて、準備した方が勝ち目はあるかもしれない。でも東卍は今日、天竺に乗り込みます」
マイキーとドラケンが揃ってから天竺に乗り込むべきだと賛同する中、今日乗り込むと決断したタケミチの言葉に全員が驚いて目を見開き、そして納得がいかないという表情を浮かべた。
「何勝手な事言ってんだテメェ!?」
「マイキー君なしで東卍が動くワケねぇだろうが!!」
「いつから東卍仕切ってんだテメェ!」
「(やっぱりモメる事になるよね…。)」
「調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
「テメェ一人で行ってこいや!」
「僕も今日、天竺に乗り込むべきだと思います。向こうから喧嘩売られたんですよ?このまま黙って引き下がるんですか?」
「あァ?」
大ブーイングが起こる中、その喧しさに小さく溜息を吐いたカノトがそう言えば、みんなが不機嫌そうにこちらを見る。
「テメェも勝手な事言ってんじゃねぇぞ!」
「マイキー君がいないんだぞ!?それにドラケン君も!オレらだけで動けるわけねーだろうが!」
「総長と副総長がいないと何も動けないんですか、このチームは。」
「!!」
全てマイキーとドラケン頼りの甘ったれメンバーにイラッとしたカノトが眉を顰め、厳しい口調で言う。
「それとも怖いんですか?最強コンビが戦意喪失状態で抗争に参加できないからって、勝ち目がないからとしっぽ巻いて逃げるんですか?」
険悪なムードが漂い、カノトと東卍メンバーのピリつき具合に隣に立っていたタケミチがハラハラと不安そうに見ている。
「宮村テメェ…オレらが天竺の連中に負けるのが怖くて、引き下がったとでも言いてえのか?」
「ふざけんじゃねーぞ!オレらが天竺なんかに負けるわけねぇだろうが!」
「じゃあ証明してくださいよ。あの二人がいなくても東卍は強いんだと。それに…売られた喧嘩も買わずに逃げるなんて、クソダサくないですか?」
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