第46章 東卍vs.天竺
ゴッ
「っ!?ドラケンくん…!!」
カノトの必死の思いも届かず、マイキーを再び殴ったドラケンに驚き、声を張り上げて叫ぶ。
「みんなを守る為に東卍創ったんじゃねぇのかよ!!?」
「やめてくださいドラケンくん!!!」
慌てて駆け寄り、ドラケンの腰にしがみつく。それでもドラケンの怒りは治まらず、マイキーの胸ぐらを掴み、また殴る。
「パーちん捕まっちまったじゃねぇかよっ!!?」
「!?何言ってるんですかドラケンくん!?パーちんくんの事は万次郎くんのせいじゃ…」
「場地は死んじまった!!!」
ゴッ
「ドラケンくんやめて!!」
「一虎も逮捕された!!!」
ゴッ
「っ、万次郎くん…!!」
一方的に殴られ続けるマイキーの顔は傷だらけになっていた。どうにかしてドラケンをマイキーから引き離そうとするが、体格の大きいドラケンに女の力では丸っきり適わず、カノトの顔に焦りが浮かぶ。
「ドラケンくんお願いですから…!!」
「どけっ!!」
お腹に回された腕を乱暴に掴まれ、強引に引き剥がされたカノトの体はバランスを崩し、ドサッと地面に倒れ込む。
「エマまでっ!!!」
ゴッ
「…やめて」
ゴッ
「やめてよ…このまま続けても二人がお互いに傷付くだけなのに…」
ゴッ
手加減のない拳がマイキーの顔面に直撃し、ドラケンの暴走を止められないカノトは、地面に座り込んだまま、ポロポロと涙を流し、顔をくしゃりと歪める。
「ドラケンくん!!少し落ち着いてください!!それ以上殴ったら万次郎くんが死んじゃう…!!!」
殴られている間、マイキーは一切抵抗せず、黙ってドラケンのパンチを受け続ける。それを見たカノトは荒い呼吸を繰り返し、泣き叫んだ。
ゴッ
「万次郎くん!!」
体が傾き、ドサッと地面に倒れたマイキー。
「エマまで……っ」
悲しみに嘆くドラケンの眼から涙が零れた。
「…ドラケンくん」
その姿はあまりにも辛そうで、カノトは一度開きかけた口を閉じるが、ドラケンがエマをどれほど大切に思っているのかを知っているからこそ、静かに言葉を投げ掛ける。
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