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BRAVE You’re HERO【東リべ】

第45章 願う声は届かない



「(三ツ谷くんとスマイリーくんの姿がないけど…どうしたんだろう?)」



副隊長も不在でその場にはいなかった。緊急集会なのに肝心の幹部達が参加せず、行き先も不明。カノトは疑問に思いながらも、ドラケンの話に耳を傾ける。



「2月22日、つまり今日天竺が動く!いよいよ全面対決だ!みんな気ぃ引き締めてかかれよ。天竺の奴らは正々堂々と喧嘩する気はねぇ。自らを"犯罪組織"と呼び、卑怯な手を使ってくる」



「(300人もの兵隊を送り込んで東卍を潰すような連中だもんな。でも…何でイザナはあの時私を助けてくれたんだろう?)」



天竺の連中と二回も遭遇し、体力を消耗したカノトの前に突然イザナが現れ、味方のはずの天竺の連中を目にも留まらぬ速さで全員蹴り倒してしまったのだ。



「(まぁその後が問題だった。イザナの我儘は万次郎くん以上で、たい焼きは奢らされるし、アイスはダブルじゃなくてトリプルを勝手に頼むし、しまいには天竺に勧誘しようとしてくるし…)」



思い出すだけで顔がげっそりする。



「だったら東卍も同じだ!!卑怯な手でぶっ潰す!!」



突然の怒声に驚き、何事かと顔を向けると、そこには息を切らしながら青筋を立てた八戒がいて、彼の様子から察し、何かあったのだと分かる。



「八戒!?」



「ここに来る途中、三ツ谷がやられた!!スマイリー君もだ!!」



「え!?」



「(あの二人がやられた!?東卍の幹部だよ!?簡単にやられるはずは…あぁそうか、天竺は卑怯な手を使って三ツ谷くんとスマイリーを襲ったのか。)」



怒りがふつふつと湧き上がり、苛立ちを抑えられず、ギリッと歯を噛み締める。



「嘘だろ!?」



「あの二人がどうやって!?」



「バイクで突っ込んできた奴らに後ろから鉄パイプでぶっ叩かれて…病院に運んだけど二人共、意識不明の重体だ!!」



「!!」



後ろから…鉄パイプで…?



ふとイヤな記憶がフラッシュバックした。あの夜、何者かがマドカを後ろから鉄パイプで襲い、殴り殺した。犯人はそのまま逃走。未だに誰が犯人なのかは分からない。



「……………」



カノトは悔しげに顔を歪め、怒りと憎しみが抑えきれず、握った掌にギュッと強く力を込めた。



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