第44章 つーかまーえた♪
「んん……はぁ……あ……んん……っ」
何度も角度を変えて繰り返される口付け。カノトの頭はすぐに甘く痺れて溶け出す。
「んぅ……ンン……ッ……は……ぁ……あ……んっ!」
ぢゅっと唇を軽く吸われ、びくんっと体を跳ねさせて反応する。それでも唇は離れず、マイキーの舌が歯列を割って口内に侵入し、カノトの舌を絡め取る。
「ん"ぅ……あ……はぁ……んむ……ンン……待っ……て……ぇ……んぅ……ッ」
鼻で息をするも流石に深いキスが長く続けば、呼吸も苦しくなり、濡れた瞳でマイキーを見る。
「んぁ……まんじろー……く……ん……はぁ……あ……ンン……」
「……………」
そこでようやく唇が離れると、唾液が二人の舌を繋いでいた。とろんとした表情でキスの余韻に浸っていたが、眉を下げ、泣きそうな顔をする。
「どうして…キスしてくれるんですか…?他の男とキスした唇じゃ…気持ち悪いでしょう…?」
「オマエとのキスが気持ち悪いわけねーじゃん。オレ、カノとちゅーすんの好きだよ。だから今ので上書き。アイツがしたキスなんて全部忘れさせてやるからさ…オレのこと、変わらず愛してよ」
マイキーはカノトと目を合わせ、愛おしげに微笑む。その優しさに嬉しさが込み上げ、胸がキュゥッとなった。
「万次郎くん…」
「助けてやれなくてごめんな。怖い思いさせてごめん。半間…アイツまじで殺す。オレの大事なもんに手出しやがって…」
怒りで顔を歪めるマイキーはグッと掌を強く握り締める。その殺気立つ空気にビクッと怯えたカノト。
「カノ」
「はい…?」
「オレのこと、抱きしめて。好きって言って」
「!」
「大好きだよ、カノ。」
「っ…………!!」
両手を広げて笑うマイキーの胸に勢い良く飛び込み、背中に両手を回してギュゥゥッと抱き締めた。
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