第44章 つーかまーえた♪
「僕も救いたい人がいるんだ。その人達の幸せを壊させない為に、笑って過ごせる未来を守る為に必死に頑張ってきた。でも失敗ばかりで…どうしてって思うことがやっぱりあるよ。だから青宗くんの気持ち、僕にも分かる」
「カノト…」
「僕も二人をサポートするよ。"黒龍総長補佐"ってポジションで!」
「いや…オマエはダメだ」
「何で!?僕じゃ頼りない!?サポートくらいなら出来ると思うんだけど…!」
断られるとは思ってなかったのか、カノトは変な両手の動きを加えながら、アワアワとし出す。
「そうじゃねぇ。マイキーが…許さなかった」
「え?マイキーくんが?」
「……………」
イヌピーは聖夜決戦翌日の記憶を思い起こす。
『大寿は引退した。マイキー、黒龍は東卍の傘下に下る』
『………、オマエが十一代目として黒龍を継ぐのか?』
『いや、十一代目総長はオレじゃない。花垣武道を指名する!』
『!タケミっち?』
『大寿に立ち向かう花垣に"初代"の面影を見た』
イヌピーの言葉にマイキーがピクッと反応する。
『"花垣"は黒龍総長の器だ。そしてもう一つ…宮村心叶都を花垣の補佐として黒龍に入れたい』
『カノを…?』
『あいつは…花垣と相性がいい。二人が黒龍を継いでくれたら…』
『………、ヤダ。』
『え?…ヤダ?』
マイキーは階段を降り始める。
『もちろん東卍から花垣とカノトを引き抜こうってワケじゃない。壱番隊隊長と補佐と兼任で…』
『おい!!』
『うっ』
ずいっとマイキーに顔を近付けられ、イヌピーは少し怯んでしまう。
『最初にタケミっちを見つけたのはオマエじゃない!』
『え?えっと…』
『オレだ!』
『………へ?』
『兄貴の器だと!?そもそもアイツはオレのモンだしオマエなんかにやらん!』
怒ったマイキーはぷいっと後ろを向いてしまい、その様子にイヌピーが驚く。
『(コイツ、もしかしてイジけてんのか?)』
『それとカノはぜってーダメ!!オレの傍にいてくんねーと困るし、カノをオマエに取られた気分になるからヤダ!』
『!』
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