第42章 閉ざされた未来と託された希望
「まぁほぼ真一郎君のモノだからな」
「オレのモノなんてベッドぐらいだよ」
のそっと現れたマイキーは寝起きなのか、乱れた髪がボサボサに広がっている。
「マイキー君!」
「朝から大きい声出すなよ」
タケミチに近くで叫ばれてちょっと不機嫌そうなマイキーだったが、カノトの姿を見ると、その表情が一変し、にへぇっと締りのない嬉しそうな顔へと切り替わった。
「カノおはよ♪」
「おはようございます、マイキーくん」
「朝からカノに会えるとかスゲー嬉しい!おはようのぎゅーしよ♥」
まだするとも答えてないのに、両手を広げて、ぎゅぅ〜っと抱きしめられる。
「(二人がいるのに…)」
とりあえずカノトもマイキーの背中に両手を回して抱きしめ返す。ここで拒否ってまたマイキーに駄々を捏ねられても大変だ。
「相変わらず誰がいてもお構い無しだな」
人目も憚らず、イチャつく二人を見たドラケンが呆れながら言う。
「マイキー、ハートいっぱい飛んでんぞ。ホント隠す気ゼロだなコイツ…」
「オレら超ラブラブだからな!ハートも飛ばしまくってイチャイチャしてんの!」
「何言ってるんですかもう…。というかマイキーくん、髪の毛ボサボサですよ」
「じゃあカノがオレの髪やって。いつもケンチンに頼んでるけど今日はカノに結んでもらいたい」
「ドラケンくんより上手く結えるかどうか…」
「別にケンチンみたいに上手くなくていーよ。オレ、カノがやってくれんならどんな髪型でも気に入るし」
「!」
何気ない言葉に思わずトキめいてしまう。揶揄われないように平然を装ってみるが、マイキーには当然バレているようで…。
「あ、今ちょっとキュンってトキめいただろ〜」
「…別にトキめいてませんけど」
「ほんと素直じゃねーなぁ」
「なんですニヤニヤして…」
「ん?すげー好きだなって」
「……………」
「照れると黙るよな」
「(見透かされてる…。)」
ニヤニヤとした表情の中に嬉しさが滲み出ている。図星を突かれたカノトは何も言い返せず、恥ずかしそうに頬を紅く染めた。
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