第42章 閉ざされた未来と託された希望
《今一番知りたい事は、マイキー君はなんで黒川イザナをそこまで信頼したのかだ!》
「柴大寿が言ってたね」
『佐野はイザナに龍宮寺堅以上の絶大な信頼を置いていた』
「マイキーくんがドラケンくん以上の信頼を誰かに寄せるなんてあり得ない。どうしてマイキーくんは黒川イザナにドラケンくん以上の信頼を置いていたんだろう…」
《マイキー君はそもそも黒川イザナと知り合いなんじゃないか?》
「黒川イザナと?」
《今から確かめに行こうよ!》
「確かめにって…マイキーくんに?」
《こういうのは早い方がいいからな!》
「わかった。私もすぐに行くよ。佐野家の前で待ち合わせでいい?」
《ああ!》
「じゃあまた後で!」
ピッと通話を切り、携帯を持って部屋を出る。玄関で座ってスニーカーを履き、靴紐を結び直す。
「(本当に万次郎くんがイザナに信頼を置いていたのか怪しい。きっとそこには必ず何かあるはずだ。それを突き止める!)」
キュッと靴紐を結び終えると、家を出た。
✤ ✤ ✤
「あれ?ドラケンくん?」
「さっきそこで偶然タケミっちに会ってな。オマエもマイキーに用か?」
「はい」
「んじゃ一緒に行くか」
佐野家に到着するとそこにドラケンもいた。彼に続いて敷地内に入り、ドラケンがインターホンを鳴らす。
「着いたぞー!!マイキー!!」
「オレの部屋で待っててケンチーン!!」
「さっきタケミっちとカノと会って一緒だけどあげちゃっていい?」
「いいよ!」
「…わぁ、ここがマイキー君ち…」
初めてマイキーの家に来たタケミチは興味ありげに佐野家を見ている。
「ここがマイキーの部屋」
「へぇ、母屋と別なんですね!」
「ここ、元々は倉庫でさ、真一郎君がバイクいじってた」
「へぇ」
「よくオレもマイキーも一日中、横でバイクいじってんの眺めてさ…でも飽きなかったなぁ」
その当時の事を思い出したのか、ドラケンは懐かしむように笑った。
「わぁ、マイキー君の部屋!!かっけー!!」
「(相変わらず大人っぽい部屋だなー)」
「なんか大人っぽ過ぎません?」
タケミチも同じ事を思ったらしい。
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