第41章 絶対的な『王』の名は
「さぁ!好きなのを選んでください!」
「バニラとショコラオランジュとポッピングシャワーのトリプル」
「…何て?トリプル?」
看板に載っているメニュー表を見ながら又もや当たり前のように注文したイザナの言葉に耳を疑う。ダブルならまだしもトリプルだ。まさかトリプルを頼むとは思わなかったカノトが驚いた顔でイザナを見ると、その視線に気づいたのか、バチッと目が合う。
「なんか文句あんのか?」
「それが人に奢ってもらう側の態度か!ホントどこの王様だよ!!…すみません!!今言ったフレーバーをトリプルでお願いします!!」
「怒りながら頼んでるし。ウケる。」
キレ気味に注文したカノトにイザナは可笑しそうに笑った。
「遠慮ナシに頼んでくれましたね」
「トリプルがダメなんて言われねーし」
「(言ったってどうせ聞かないでしょ!)」
「奢らせてやったんだから感謝しろよ」
「二度と感謝なんてするもんか」
「クソ生意気な下僕だな」
「誰が下僕かっ!!」
「なら家来の方が良いか?」
「どっちもお断りだよ…!!」
「オマエほんと面白いな」
「どこに面白い要素あった!?」
ダメだ…彼といると疲れる
早急にこの場から離れないと
「これでもう解放してくれますよね?じゃあ本当に僕はこれで…」
「オマエさ、何で東卍なんかにいんの?」
「!」
イザナに背を向けて歩き出そうとした時、そんなことを言われて振り返る。
「それを知ってどうするんです?」
「別に。ただの興味。オマエみたいな奴、俺らの世界じゃ珍しいタイプだからな。少し気になっただけ」
「…理由話したら帰っていいですか?」
「くだんねー理由だったらココで死刑な」
「ホント理不尽過ぎて意味不明なんだけど」
「で?理由って何?」
カノトは少し迷ったが、早く解放してもらう為に"自分が東卍いる理由"をイザナに話した。
「やるべき事があるからです」
「やるべき事?」
「それを実現させる為に東卍にいます」
現代(みらい)を変える為に過去に来たことを伏せたまま、東卍にいる理由を答えると、イザナは不敵な笑みを浮かべた。
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