第41章 絶対的な『王』の名は
「すみませんだァ?」
「謝るだけで済むと思ってんじゃねーぞ!」
「本当に悪いと思ってんなら金払えや!」
「ぶつかっただけでお金を払う理由が分かりません。それにそんな強い力で当たってませんよね?少し大袈裟なのでは?」
「何だとテメェ!」
「素直に出せや。怪我したくねーだろ?」
「…断ると言ったら?」
「無傷で帰す訳には行かねぇな」
天竺のメンバー達がカノトの逃げ道を無くすように周りを囲み始める。
「丸腰の相手にこの人数ですか。やる事が卑怯なんですよ。これじゃあリンチだ。」
「テメェみたいなイケメン野郎を一度ボコッてみたかったんだよな」
「そのキレーな顔、ブサイクになるまで痛めつけてやるよ!」
「降参しても許してやんねーからなぁ!」
馬鹿にしたように男達は嘲笑う。スッと目付きを変えたカノトは片足を一歩後ろに下げ、戦闘態勢に入る。
「ん?何だよ、ヤル気か?」
「はは!冗談だろ?テメェみたいなチビに喧嘩なんか出来るわけねーって!」
「めちゃくちゃ喧嘩弱そうだしな!」
「天竺、一つ聞く。何で東卍を狙う?」
「あ?」
「テメェ…オレらのこと知ってんのか?」
笑っていた男達の表情が変わる。カノトは心の中でタケミチに謝り、強い瞳で男達を見据えた。
「おい、まさか…お前、東卍か?」
「だったら?」
「ハァ!?マジかよ!!こんな弱っちぃチビが!?東卍のメンバーなのかよ!?」
「全然不良ってカンジじゃねーじゃん!」
「あれか?下っ端とかだろ!テメェ見た感じ、ベンキョーしか取り柄なさそうだもんな!」
「人を見かけで判断すると痛い目見るよ」
「は?どういう意味だよ?」
「東京卍會 壱番隊隊長補佐 宮村心叶都」
「壱番隊…隊長補佐だと!?」
男達は驚いた顔でカノトを見る。
「さっきの質問に答えろ。天竺が東卍を狙う理由は何だ。ただ潰す為に東卍を探し回ってるのか?」
「口の利き方がなってねぇな」
「少しお仕置きしてやるよ」
ニヤけた顔でポキポキと指の骨を鳴らしながらカノトに歩み寄る。
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