第41章 絶対的な『王』の名は
《詳しく説明してる時間はねえ!いいかカノちゃん!よく聞け!》
《横浜の"天竺"っていう暴走族‹チーム›が、何でか知らないけど東卍を狙って東京に集まってる!!》
「天竺…?それに東卍を狙ってるって…じゃあタケミチくんもその天竺って奴らから逃げてる途中なの!?」
《あぁ!今アッくん背負って逃げてる!それに千冬もやられた!》
「千冬くんも!?」
《正直"天竺"はヤベぇ!今日東京に天竺の兵隊300人が乗り込んでくるらしいんだ!》
「300!?タケミチくん今何処にいるの!?一旦私とも合流しよう!!」
《ダメだ!!お前はマイキー君の所に行け!!天竺の奴らはバラバラに散らばってる!!東卍は全員皆殺しにするって言ってる連中だ!!一人でいるよりマイキー君の傍にいろ!!》
「でもタケミチくん達も…」
《オレらは何とかするから心配すんな!!いいか!?カノちゃん!!マイキー君と会うまでにもし天竺の連中とバッタリ出くわす事があっても無視しろ!!"東卍か?"って聞かれても違うって言えよ!!お前に何かあったらマイキー君がキレる…!!》
"タケミチぃ!!!"
"こっちこっち!!"
"早く入れ!!"
《山岸!!マコト!!…そういう訳だからなカノちゃん!!"赤い詰襟の集団"には気をつけろ!!落ち着いたらまた連絡する…!!》
ブツっと一方的に通話が切れ、カノトは困惑したまま、その場に立ち尽くす。
「(天竺が東卍を狙って東京に集まってる?潰す為に探し回ってるって事?…そもそも天竺なんて聞いたことない。今までの"過去"にそんな奴らいなかったはず。)」
考えても仕方ない
一先ずこの場から離れよう
「(私は不良に見えないし、怪しまれないかも知れないけど、用心に越したことはないよね。)」
すぐにその場から離れようと踵を返した。
ドンッ
「いってえな!」
「どこ見て歩いてんだクソガキ!!」
「す、すみません…」
ペコっと下げた頭を上げて、相手を見た瞬間、息が止まりそうになった。
「(赤い詰襟の集団…!!)」
同じ色の特服を着た男達が10人ほど群がっている。カノトはバツが悪そうに小さく舌打ちをした。
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