第40章 これからもずっと傍に(♥)
「オレは別にいかがわしいお願いでもいいよ?例えばー…ギュッて抱きしめながら、ちゅーしてるところを動画で撮る、とか。」
「な、何言ってるんですか…!」
「あーあと、アレでもいいな」
「アレ……?」
「AV撮影みたいにさ、カメラ回してオマエにインタビューすんの。『彼氏とは週何回エッチしてる?』とか『一番気持ちいい体位は?』とか『一人でスる時はオモチャ使う?』とか」
「っ!?むむむ無理無理ッ!!」
「あ、お願いそれでもいいかも…」
「良くないです!!そんな質問…は、恥ずかしくて答えられない!!」
ぶわわっと顔を真っ赤にさせる。
「オレしか見ねぇよ?」
「そういう問題じゃない!!というかそれ、マイキーくんの願望じゃないですか!!」
「いつかやろうな♪」
「やりません…!!」
他に宿泊客がいないから良かったものの、こんな破廉恥な会話、絶対に聞かせられない。そう思ったカノトは、自分のことを照れさせる事が好きな恋人を窘めるように睨んだ。
「どうして恥ずかしい事ばかり言うんです!さっきから私、照れっぱなしなんですけど!」
「カノのそういう顔見んのが好きだから♥オレの言葉一つで照れてくれるから、嬉しくてつい恥ずかしい事ばっか言いたくなるんだよなー」
「ドS!!あんまり照れさせないで!私の心臓が羞恥で壊れる!!」
「好きな子には意地悪したくなるんだよねオレ。もっともっと色んな顔見せて。オマエを照れさせる事がオレの楽しみでもあるから」
「っ〜〜〜!!もうっ、打ちますよ…!!」
「ぷっ、顔真っ赤〜!照れ隠し〜!」
「(もう、もう!!マイキーくんは意地悪!!こうなったら意地でも勝って、私がマイキーくんを照れさせてやる!)」
ボールを高く放り上げ、落ちてくるところをラケットでマイキーのコートまで打った。
カコンッ!
「お、ちゃんと打てんじゃん!」
カコンッ!
「負ける訳にはいかないですから!」
カコンッ!
「てっきり空振りするかと思ったのに」
カコンッ!
「どんだけ下手だと思われてるんですか!」
カコンッ!
真ん中のネットをボールが行き来し、お互いのコートを超えてラリーが続く。
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