第40章 これからもずっと傍に(♥)
「カノ、オレのこと大好きだもんな。仕方ねーから、残していいよ、今の写メ。」
「マイキーくんだって私のこと大好きじゃないですか」
「うん、すげー大好き」
「っ…………」
ストレートに言われ、思わず照れてしまう。
「自分から言わせといて照れてんの?相変わらず照れ屋だなーカノは。」
「マイキーくんが直球過ぎるからです」
「遠回しな言い方してもカノには伝わんねーだろ。だったら包み隠さず素直にオレの気持ちを直球に伝えたんだよ」
「(確かに…変に誤魔化されたり、下手な言い回しで好きって伝えられるより、ストレートに言われた方がいい。)」
するとスッと手を差し伸べられる。
「手繋ご。」
「はい」
手を取り、キュッと指先を絡める。目の前に見える旅館に向かって歩いていると、赤い橋を渡っている途中、マイキーが立ち止まり、カノトも自然と歩みを止めた。
「マイキーくん?」
「なぁこの橋ってさ、アレに似てねぇ?」
「アレ?何のことですか?」
「千と千尋の神●し!」
「何も隠しきれてないです。あとジャンル飛び越えるのやめてください」
「でも似てるだろ?」
「言われてみれば確かに…。この橋を渡った先はもしかしたら別の世界…なんてこともあるかも知れないですね」
「まぁ目の前に旅館見えてる時点で、別世界に迷い込むのはありえねーけどな」
「急に現実に引き戻しますね」
マイキーが歩い始めたのを見て、カノトも再び足を進める。
「もし別世界に迷い込んだとしても、オマエと一緒ならオレは何も怖くない。帰り道を失ったとしても、オマエがいれば、絶対に大丈夫って思えるんだ」
「私もマイキーくんがいるから何も怖くないですよ。どんなことがあっても絶対に私を守ってくれるって信じてるから」
「大事な女を守るのは当たり前だろ。オマエを傷付ける奴は誰だろうと許さねえ。オレがぜってー守ってやるから心配すんな」
「頼もしい限りですね」
「惚れ直した?」
「元から惚れてるので直す必要ないです」
「ほんと好きっ!!」
嬉しさを隠しきれず、マイキーはギュッとカノトを抱きしめた。
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