第38章 君の代わりなんて誰ひとり
「カノに触れんの久しぶり過ぎてめっちゃ抱き心地良く感じる」
「もっと抱きしめてもいいですよ」
「これ以上強くするとカノが抱き潰れるからここら辺で我慢しとく」
「(あ。珍しく抑えてる。)」
「もう一個の我儘」
「はい」
「ちゅーしたい」
「!」
「ダメ?」
「ダメというわけでは…」
「それとも…他の女とキスしようとした男とはもうちゅーしたくねぇ?」
「そんなことないです」
「本当?もうオレとちゅーしたくねえって思わねぇ?いつもみたいにちゅーしたいって思ってくれる?」
「はい。私だってマイキーくんとキスしたいですよ。だからちゅーしてください」
ニコッと笑う。
「カノからしたいって言ってくれんの珍しいね。いつもはオレからしようって言うからカノから求めてくれるのめちゃくちゃ嬉しい」
マイキーは嬉しそうに笑みを零す。
「たくさんちゅーしよ」
抱き合ったままお互いに顔を近付け、ちゅっと唇を重ねる。
「ん……」
「舌、出して。もっと深いちゅーしよ」
「んぅ……んん……は、ぁ……んッ」
「はぁ……ん……あー久しぶりのキスすげーきもちいー……カノの舌あったか……ん……」
「あ……ぅ……ふぁ……んんっ……」
歯列を割って侵入してきたマイキーの舌が生き物みたいに動き、カノトの舌を逃がさないように絡め取ろうとする。
「んふ!?んんッ……は……あ……ンンッ」
「こーら、逃げんな。ちゃんとオレの舌追っかけて。久しぶりだから怖ぇの?」
「ち、ちがッ……んっ……んん……はぁ……あ……んむ……ふ……んんっ……んッ」
唾液が絡むせいでくちゅくちゅと卑猥な音がカノトの耳に届く。
「ま、まいきーく……んんっ……やぁ……あ……んはッ……んぅ……んん……」
「目がとろんってなってきてんね。久しぶりのキスで気持ち良くなっちゃった?ほんとすげー可愛い。は……ん……ちゅぅ……ッ」
「んんッ!?」
強く唇を吸われ、ビクンッと腰が跳ねる。それを見たマイキーが唇の隙間からふふっと小さな笑いを零した。
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