• テキストサイズ

BRAVE You’re HERO【東リべ】

第37章 オレの『帰る場所』



「頭打って馬鹿になっちまったか?」



「テメェ…喧嘩売ってんの?」



ピキっと米神に青筋が浮かぶ。



「ケンチンもアイツの味方すんのかよ?」



「敵とか味方とか関係ねーよ。俺はただ、カノは故意に誰かを傷付けたりするような奴じゃねえって言ってんだ」



「何でそんなこと分かんの?」



「逆に何でお前は分かんねーんだよ。俺らの誰よりもアイツの傍にいて、一番アイツの気持ちを理解してんのに」



「!」



「本当にアイツがわざと海凪を突き落としたって思ってんなら、アイツに嫌われたままこの先もずっと生きていけよ」



厳しい口調でマイキーを責める双眸には強い怒りが宿っている。"もうとっくに嫌われてるし…"とマイキーは内心呟く。



「でも…確かに見たんだ。アイツが海凪の背中を突き飛ばした瞬間をな」



「それ、お前の見間違いじゃねえのか。例えばさ、カノが階段から足を踏み外した拍子に、誤って海凪を突き落としちまったかもしれねぇだろ?」



「え?」



「お前、その可能性は考えなかったのかよ」



「それは…」



「まさかアイツの話も聞かずに、怒り任せに殴ったんじゃねーだろうな?」



「……………」



『ち…がう…わざとじゃ…』



「どうなんだよ、マイキー」



「オレは…アイツが海凪を傷付けたことがどうしても許せなくて…それで…泣いてるアイツを…」



「やっぱり泣いたんだな…」



ドラケンの冷たい視線が突き刺さる。



「信じた奴に真っ正面から拒絶されて、ロクに話も聞いてもらえなくて、心身共にとっくに限界を超えたアイツは…お前に殴られてどんな気持ちだったんだろうな?」



「!」



「記憶のあるマイキーがここにいたら、テメェ殺されてんぞ。いや…殺すだけじゃ済まねぇだろうな。きっとお前の大切なもん全部、壊していくだろうな」



決して冗談ではない空気にマイキーは緊張感を張り巡らせる。



「それと…さっきのアイツ、明らかに様子がおかしかった。まるで頑張ることを諦めたような悲しい目をしてた」



「……………」



「お前、アイツに何言ったんだよ?」



「あんなに…怒ると思わなかったんだ。いつもなら静かに怒るっつーか…声を荒らげて泣くことはなかったのに…」



.
/ 1256ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp