第4章 冷たい拒絶
「なんだよコレ!!?」
突然、マイキーの声が聞こえ、二人はビクッと身体を跳ねさせる。
「喧嘩か!!?」
「…むせるトコだった」
タケミチは後ろを振り返る。
「もう一生許さねえ」
「あ?」
「旗が立ってねーじゃん!!」
むすっとした顔でマイキーは頼んだお子様セットを指差す。彼はご飯に旗が立っていないことが気に入らないらしい。
「え?」
タケミチは呆気にとられる。
「オレはお子様セットの旗にテンションが上がるの!」
「す…すみません。今付けてきます」
「もう要らねー」
「ホラマイキー旗だぞ」
懐から取り出した旗をご飯にぐさっと突き刺す。
「わー!!さすがケンチン!!」
一瞬でマイキーの機嫌が直った。
「どっから持ってきたんだ。恐るべきドラケン…」
「いつものことなのかな?」
そしてしばらくしてまた…。
「あー!!!」
今度はドラケンの苛立った声に二人はビクッと身体を跳ねさせた。
「もうやってらんねー!!ウッセぇんだよマイキー!!」
ドラケンが席から立ち上がる。
「なんだなんだ!?今度こそ喧嘩…」
「…心臓に悪い」
タケミチは後ろを振り返る。
「え!?寝てる!?」
お腹いっぱいになったマイキーがイビキをかきながら椅子に横になって寝ていた。
「食ったらすぐ寝るの、いい加減直せよ!」
「うーん、ムニャムニャ。もう食べられないよー」
「ったく、しょうがねーな」
ドラケンは眠ったマイキーを背負い、店から出て行った。
「マイキー君って普段はあんな感じなんだ…」
「新発見だね」
二人も急いで二人の後を尾行する。
「ドラケン君はすげえな。毎日こんな人のサポートしてんだもんな」
「放っておけないんだろうね」
「もしドラケン君がぶち切れたら…」
「大変だろうねぇ」
見つからないように二人の後を追うと病院に辿り着いた。
「マイキー着いたぞ」
「ん?」
マイキーは目を覚ます。
「病院?」
「おう」
「こんなトコになんの用なン?」
「…ちょっとな」
.