第4章 冷たい拒絶
「決めたぜカノちゃん!」
「決めたって何を?」
「オレ、ドラケンの付き人になる!!」
「……………」
“閃いた事がある”と何やら自信ありげに昨夜、電話を掛けてきたタケミチ。大して期待はしてなかったが翌日、タケミチの家の前で彼から話を聞くと、その閃きが“ドラケンの付き人になること”らしい。
「フフフ、我ながら天才的な案だぜ!」
「本気で言ってる?」
「本気と書いてマジと読む!」
「(朝からウザテンションだなぁ〜)」
「結局、死の原因がどっちなのか確定できねえ。でもドラケンにずっとくっついていれば死ぬ原因が“二人の喧嘩”なら止めればいいし、愛美愛主との抗争で死ぬ事になるとしても対処できる!」
「(そうだ。タケミチくんっておバカさんだった。)」
「ヒナ、アッくん、待ってろよ!今度は絶ッ対救ってみせる!!」
そうして二人はドラケンに会いに行った。
✤ ✤ ✤
「は?付き人?ヤだよ」
「アザース!!!…って今なんて?」
「付き人とかうぜえし、一人でなんでもできるし。大体オマエなんの役に立つの?」
早くも寝る間を惜しんで考えたタケミチの閃きはミッション失敗に終わった。
「まぁ無理だとは思ってたよ」
「だが諦めん!!」
「ええー?」
「そんな事で諦めるオレではないのだよ。行くぞカノちゃん!プランBだ!」
「…プランB?」
タケミチは壁に張り付き、去って行くドラケンを陰から見る。
「まさか…尾行?」
「これから8月3日まで徹底的に張ってやる!」
「それ、私も付き合うの?」
「覚悟しろ!龍宮寺堅!」
「…聞いてないし」
勝手に一人で盛り上がるタケミチの雑な提案にカノトは呆れ返った。
その後、ドラケンを尾行しているとファミレスに入ったのが分かり、二人も少し離れた席でドラケンの様子を窺うことにした。
「カノちゃん何飲む?」
「オレンジジュース」
「オレ、メロンソーダにしよ」
注文を終え、すぐに頼んだ飲み物が運ばれる。カノトはストローを使い、オレンジジュースを吸った。
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