第35章 壊れた愛の絆
「っ…………」
「今日で更にオマエのことが大嫌いになった。オマエと一緒にいても全然楽しくねぇ。話すと余計にイライラするだけだ。こんな状態でオマエと付き合うのマジでめんどい」
「……僕は、」
「もういい。ここから出てけ。」
強引に話を遮ったマイキーの強い拒絶。それ以上話は聞きたくないと云うように背けられた顔。予想もしてなかった言葉にカノトは目の前が真っ暗になる。
「別れるって…本気で言ってるんですか?」
「あぁ」
「僕と過ごした思い出は失くしたままでいいってことですか…?」
「オマエとの思い出なんていらねえよ。記憶も戻らなくていい。オレはオマエの存在を忘れてぇんだ」
ドクンッ
「…存在を、忘れたい…?」
心臓が嫌な音を立てる。
「それ程までに…僕の存在は煩わしいですか。マイキーくんにとって、僕はもう守りたい存在でも無くなったんですね」
「守りたい存在って思える程、オレはオマエを好きじゃねえ。だからもう二度と此処には来るな」
「(心が…折れる。せっかくドラケンくんに背中を押してもらったのに…挫ける。私はもう…どうしたらいいんだろう。)」
「いつまで突っ立ってんだよ。さっさと出てけ。オレの命令が聞けねぇの?」
「(今までの幸せな思い出が壊れて、二人で交わした"ずっと傍にいる"って約束も…叶わなくなっちゃう。)」
目頭が熱くなる感じがした。
「…嫌です」
「何?」
「…別れません。マイキーくんは僕の恋人です。僕の大切な人です。だから何があっても絶対に、貴方の傍を離れません」
「オマエに傍にいられても迷惑」
「…迷惑、でも、傍にいます」
「あ"ァ〜!!マジっでしつけえ!!」
マイキーは苛立ち、髪を掻き乱し、眉を顰めて声を荒らげた。
「迷惑だっつってんだろ!?テメェのことなんてこれっぽちも好きじゃねーし、大切だとも思わねぇよ!!いい加減聞き分けろ!!これ以上オレを苛立たせんな!!」
バンッと強くテーブルを叩く。
「…今日は帰ります。また明日も来ます」
「ハァ!?だから来られても迷惑だって…」
「どんなに嫌われても、僕は諦めない」
「!」
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