第34章 記憶から消えた君
「たかが占いなのに…」
どうしてこんなに胸騒ぎがするんだろう…
「でも当たるんだよね…この占い。」
【ラッキーアイテム:ピンクゴールドのブレスレット!】
「…え、見透かされてるみたいでコワイ」
ピンクゴールドと聞いてすぐにマイキーの顔が思い浮かんだ。"この占いやっぱり当たるの…?"と内心ビクつきながら牛乳を一気に飲み干した。
【そして最下位は──8月生まれ!!】
「(今日は大人しくしてよ。)」
リモコンでピッとテレビを消す。パンも完食して椅子から立ち上がり、食器とコップを洗った後、棚にしまった。
「(まず部屋の掃除して、夕飯の買い物行って、授業で出された宿題やって…)」
Prii…
「!!」
着信音が鳴り、マイキーからかと思い、慌てて携帯を開き、画面を確認する。
「…タケミチくん?」
ガッカリしたのは内緒だ。短く溜息を洩らし、電話に出る。
「もしもし?」
《カノちゃん、今ヒマ?》
「藪から棒に"ヒマ?"って聞かれると"ヒマだけどヒマじゃない"って答えたくなる」
《あれ?なんか元気ない?声にいつもの覇気が感じられないっつーか…落ち込んでる?》
「別に普通だよ」
《カノちゃんって嘘が下手だよな。自分では上手く誤魔化したつもりだろうけど…落ち込んでんのバレバレだよ?》
「隠し通せると思ったんだけどな」
《なんかあった?》
「愚痴も混ざっちゃうんだけどさ…心身共に疲れ切ってる友の話を聞いてくれるかい?」
《ダチなんだから当たり前だろ。それでお前の気分が晴れるなら愚痴でも何でも俺にぶつけろよ。》
「実はさ───……」
心優しい気遣いに感謝して、宮村家であった出来事をタケミチに話した。
「──と…言うわけなんだよ」
《結婚相手って…なんだよそれ。そんなの…絶対嫌がらせじゃんか!カノちゃんの意思はどうなるんだよ!?》
案の定、タケミチは怒った。
《何でマイキーくんの名前を出さなかったんだよカノちゃん!!お前がマイキーと付き合ってることをその人達に言えば結婚相手を探さずに済むんじゃねえの!?》
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