第33章 すれ違い、こじれ始める。
「(さっきまで楽しい話をして幸せだったのに…何でこうなるんだろう。海凪ちゃんがあんなこと言わなければ私だって感情的にならなかった。)」
どうしよう…絶対に嫌われた
マイキーくん…私のこと呆れてた
眉を八の字に下げ、泣きそうになるのをグッと堪え、手の甲を唇に当てる。
「っ、待てって…言ってんだろ!」
「!?」
心配で追いかけてきたマイキーに後ろから腕を掴まれ、驚いて振り返る。
「何で追って来るんです」
「勝手に帰んなよ。それと…オレのいないところで一人で泣くなって言ったよな?」
「…泣いてないです」
「泣きそうになってんじゃん」
「……………」
「なぁ、今から戻って海凪に謝ろう。それでパンケーキもう一回食べよう。な?」
「さっき謝ったじゃないですか」
「オマエ適当に謝っただろ。全然悪かったって感じじゃなかったぞ」
「適当に謝ったって何ですか。ちゃんと悪いと思ったからお金まで置いてきたんです。僕だけを悪者にしないでください」
「何だよその言い方。オマエがそんな態度だから海凪も怒ったんだろ」
「っ、マイキーくんはどっちの味方なんです!?さっきから碓氷さんばかり庇って!」
「別に海凪を庇ってるわけじゃねぇよ。なぁカノ、今日のオマエほんと変だぞ。妙にイラついてるっつーか、何でそんなに機嫌悪ぃの?」
マイキーに分かってもらえない事が腹立たしいのか、カノトは掴まれた腕を振り払う。
「!」
「もう放っておいてください。僕はもう帰るのでマイキーくんは碓氷さんの所に戻ってください」
「ふざけんな。まだ話は終わってねぇよ。何で海凪と揉めた?理由を言え」
「碓氷さんから聞いたらいいでしょう」
「オレはオマエの口からも聞きてえんだよ。早く言わねえと…オマエをトイレに引きずり込んで無理やり吐かせる事になんぞ」
「!何するつもりですか」
「カノが最後に足腰立たなくなること」
それを聞いて困った顔をした。店の中というものあり、周りの人達からの視線が痛い。早急にこの場から立ち去りたいカノトは観念してマイキーに話す。
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