第3章 ふたりを繋ぐ証
「袋貸して。持っててくれてありがと」
「いえ」
「(え。めっちゃ優しい…!)」
「(っ!ねぇ!ちょっとねぇ…!!)」
「(うるさっ!!)」
「(声は控えめに!!)」
ヒソヒソと声を抑えるも、一人の女子高生が興奮気味に二人に言う。
「(首!!あの二人の首見て!!)」
“首?”と二人はカノトとマイキーの首に視線を向けた。
「(お揃いのネックレス!?)」
「(しかもペア物だよ!!)」
「(え!?ちょっとパニクってる!!は!?)」
「彼女達に一緒に遊びませんかって誘われちゃって…」
「ふーん…」
マイキーが三人を見る。
「ごめんね。オレ、この子と二人だけで遊びたいから遠慮してくれると助かる」
「!」
その言葉に嬉しくなり、口許を緩める。
「は、はい!」
「もちろんです!」
「むしろ邪魔してごめんなさい…!!」
二人の関係に興奮を抑えきれない三人は必死でコクコクと頷いた。
「じゃ、行こっかカノ」
「はい、マイキーくん」
カノトが先に歩き出す。
「あ、あの…!!」
「ん?」
呼び止められたマイキーが後ろを振り返り、女子高生達を見た。
「ふ、ふたりは…」
「どういう関係なんですか…!」
「…どういう関係って?」
「そのネックレス、色違いですけどお揃いですよね?」
「あぁこれ?うん、お揃い。」
「もしかして二人は…」
「こ、恋人同士なんですか!!?」
その質問にマイキーは驚いた顔をした後、ぷっと笑いを零し、人差し指を口許に当てた。
「ナイショ♥」
「「「…………!!」」」
はわっと口を開けて顔を赤くした三人にマイキーは可笑しそうに笑いながら“じゃーね”と言い背を向けると、前を歩いているカノトの後を追いかけた。
「…ちょっと!!やっぱりあの二人って、そういう関係なんだよ!!」
「えー二人とも好き!!マジ尊い!!」
「でもさ!“まいきーくん”って呼ばれてた男の子が絶対あの子のこと好きだよね!!」
「男同士もイケメンなら萌える!!」
二人が去った後も三人は興奮気味に盛り上がったのだった。
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