第3章 ふたりを繋ぐ証
「もちろんです。もしマイキーくんが悪い道に進もうとしたら…全力で止めて、ダメだよって思いきり叱りつけてあげます」
「オマエの声なら…聞こえる気がする。ありがとカノ。オマエがいてくれるからオレは自分自身を壊さずにいられる」
どこか安心したように微笑んだマイキーにカノも柔らかく笑い返す。
「(でも試着室から出るとき誰にも見られてなくてよかった…)」
別の意味でホッと安堵の息を零した。
「カノ、トイレ行ってくるからコレ持ってココで待ってて」
「はい」
買った服が入ってる紙袋をカノトに渡し、マイキーは近くのトイレに入って行く。待っている間、暇だったカノトがボーッと天井を見つめていると…
「あ、あの…!」
「!」
「一人なんですか?もしよければこれから私達と一緒に遊びに出かけませんか…!」
三人組の女子高生がカノトに声を掛け、遊びに誘う。どうやらイケメンなカノトを見て近寄って来たようだ。
「あー…ごめんなさい。誘って頂けるのは嬉しいのですが、一人じゃないんです」
「お友達と遊びに来てるんですか?」
「まぁ…そんなとこです」
「お兄さん、すっごくカッコイイですね!芸能人ですか?」
「まさか。ただの学生ですよ」
「モデルとかしたらいいのに!」
「あはは…」
「その友達も誘って遊びましょ!」
「(この子達グイグイくるなぁ〜…)」
とりあえず愛想笑いで対応するが、イケメンを逃がしたくないのか、三人の勢いが凄かった。
「ちなみに恋人はいますか…!」
「恋人?あーいや…」
「カノ」
「!」
トイレから戻ってきたマイキーがこちらに歩いてくる。
「マイキーく…」
「一人で寂しくなかった?」
「え?いや別に…」
「変な男に声掛けられたりしなかった?」
「大丈夫です」
カノの隣に並んだマイキーを見た女子高生達が頬を染めてポウッとマイキーを見つめている。
「(めちゃくちゃカッコイイんだけど…!)」
「(イケメンが二人とかやばくない!?)」
「(これは絶対に誘いたい!!)」
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