第33章 すれ違い、こじれ始める。
「確かにお互いの家だと家族がいて集中してヤれねーもんな。どうせならオレもオマエと二人きりで祝いてぇし、誰にも邪魔されない場所で気持ちイイことたくさんしたい」
「…わざと声に出さないでください」
「その日にしよっか。また時間とかは改めて決めよ。ちゃんと誕プレも用意するから楽しみにしとけよ〜」
「誕プレ…何くれるんですか?」
「先に言ったら楽しみがなくなるじゃん。渡すまでの秘密。カノのビックリする顔が見てぇから」
「すごく気になるんですけど」
「ダーメ、内緒」
「じゃあ当日まで楽しみにしておきます」
「めちゃくちゃ喜ぶと思うからさ」
「期待しちゃいますよ?」
「むしろすげぇ期待してて」
「はい」
マイキーからの誕プレがまだ何かは分からないが、きっと自分を喜ばせる為に色々考えてくれているのだろうと嬉しくなった。
「ところでずっと気になってたんだけど」
「何ですか?」
「切る前に言った"邪魔しちゃ悪いから"って、あれどういう意味?」
「!」
唐突の質問に不意打ちをくらい、心臓がドキッと跳ねた。
「別に深い意味はないですよ。私と通話したままじゃ碓氷さんの探し物を集中して探せないと思っただけです」
「本当に?」
「本当ですよ。それより探し物は見つかりましたか?確かCDでしたっけ?」
「よく探したらあった」
「それは良かったです」
あまり詮索されたくなかったので無理やり話を終わらせた。
「(二人の仲に嫉妬したなんて言えない…)」
きっと面倒くさいって思われる
だから余計なことは言わない
「お待たせ」
「遅かったじゃん」
「レジが混んでて。それとコレも一緒に頼んでたから出来上がるのに時間が掛かってたの」
注文を終えてテラスに来た海凪の手にはトレイがあり、そこには各々が頼んだ飲み物とは別に生クリームと果物がカットされたパンケーキが乗っていた。
「パンケーキだ。海凪が食うの?」
「流石に全部一人で食べたら胸焼け起こすわよ。三人でシェアしようと思って。これもアタシの奢りだから気にせず食べて」
「ありがとうございます」
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