第3章 ふたりを繋ぐ証
「(うわ…やっぱりマイキーくん似合う。正直…すごくカッコイイ…!)」
「カノー?」
「(お客さんも店員さんもマイキーくんを見てる。そりゃマイキーくんはかっこいいもの。でもまさか…ここまでとは…!)」
あまりのカッコ良さに、じっとマイキーを見つめていると、マイキーがふと笑った。
「かっこいい?」
「はい…!」
「即答かよ」
マイキーが嬉しそうに、どこか可笑しそうに笑う。
「すごいですねマイキーくん!めちゃくちゃ似合ってます!わぁ、やっぱりアメカジ系もいけますね!」
「へぇーこういう組み合わせもあるんだな。普段着ないからなんか新鮮」
着た服を見ながらマイキーが言う。
「サロン系も楽しみになってきました!」
「すげー気合い入ってんね」
「選んでくるので待っててください!」
ピンクだけど白に近いベビーピンクのロングカーディガンと、ゆるやかなヒダが施されたドレープカットソー、スニーカーを選び、マイキーに試着してもらう。
「マイキーくん。次はこのコーデでご試着お願いしま…」
ガッ
「へあ!?」
突然カーテンが開かれたかと思えば、奥から伸びてきた手に引っ張られ、試着室の中に引きずり込まれた。
「な、なに…」
顔を上げるとマイキーの顔が近くにあってドキッと鼓動が跳ねる。
「いきなり何するん…」
「しーっ。声出すとバレちゃうよ」
「(誰のせいだと…!)」
マイキーは人差し指を口に当て笑う。
「何で僕まで引きずり込むんです」
「着替えんの、手伝って♥」
「……は?」
「もう着替えんの疲れた。だからカノがオレを着替えさせて」
「っ…………」
試着室という狭い空間で男二人が至近距離で密着中。しかも相変わらずマイキーはからかうような顔で微かに頬を染めているカノトを見下ろしている。
「ち、近い…っ、近いです!」
「狭いんだから仕方ねーじゃん」
「入ったとこ誰かに見られてたらどうするんですか…!」
「いいじゃん。見られたら見られたで。別にやましーことなんてしてないんだし」
「(そういう問題じゃない…!)」
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