第3章 ふたりを繋ぐ証
「大きなショッピングモールですね!」
「けっこー人いんなー」
バブで迎えに来たマイキーと共に隣町にある大きなショッピングモールへとやって来た。
「んで?カノはオレにどんな服を選んでくれんの?」
「んー…まずはメンズ服売場に行きましょう。そこでコーディネート考えます」
エスカレーターで二階に昇り、若者向けのメンズ服売場に着くと、品揃え抜群の洋服達が並んでいた。
「マイキーくんだとアメカジ系かサロン系もいけそうな気がする…」
「どーゆーの、それ?」
「アメカジ系は“アメリカンカジュアル”の略で、軽快で動きやすくカジュアルなのが特徴です。サロン系は“男性美容師のような”ファッションのことをそう呼びます」
「いまいちピンとこねー」
「アメカジ系だとネルシャツ…この赤のチェックと…それに合わせるのが…んー…チノパン…そして靴は…ワークブーツ」
「カノここの店員みたいだね」
「マイキーくんも見てないで、これが似合いそうとかあったら言ってくださいよ?」
「んー、オレ、カノが選んだ服にするつもりだから、オマエの選んだヤツにしか興味ない」
微笑まれ、カノトは微かに目を見開いた後、恥ずかしそうに目を伏せる。
「とりあえず試着して来てください。試着室あっちなので着替え終わったら教えてください」
「カノ」
「はい?」
「オレの着替え、覗いてもいーよ?」
「っ、馬鹿ですか!冗談言ってないでさっさと着替えに行きやがれです!」
「ぷっ、ははっ!いいなぁ、オマエのそういう一面が見れんの。すげー嬉しい」
そう言ってマイキーは数着の服を持って、試着室に歩いて行った。マイキーにからかわれたカノトはカッと顔が紅くなった。
「(もう!なんなの!マイキーくんってホント意地悪…!)」
ぷんすこと怒りながら頬を膨らませる。数分後、着替えたマイキーが試着室のカーテンを開けた。
「着替えた〜」
「っ…………」
「どう?似合ってる?」
出てきた瞬間、一瞬でマイキーの私服姿に目を奪われた。
,