第32章 好きな人の初恋の人
「カノとキスすると、甘い味がするんだよ。別に甘いもん食べたわけでもないのに、口ん中が蜂蜜みたいに甘くて、ずっとキスしたいって思っちゃう」
「マイキーくん、甘党ですもんね」
「ウン。だからカノとちゅーするの好きで止められない。もちろんキスだけじゃないよ?オレの言葉一つにいちいち恥ずかしそうに照れる顔も好き」
「……………」
「いつもオレが我儘言って困らせても、最後は仕方ないなって笑って聞いてくれるところも好き」
「そりゃあ…好きな人の我儘ですから。それに言ったでしょう?マイキーくんの我儘は何やかんやで付き合うのは楽しいって」
「ウン。そういうトコにも惚れた。あとオレのことが大好きで仕方ないってとこにもな」
「それはマイキーくんも同じでしょう。私が大好きで仕方ないって顔してますよ」
「めちゃくちゃ大好き♥」
ニコニコ笑うマイキーは腰に回している両手をぐっと引き寄せて言った。
「カノはオレを夢中にさせる天才だな。どんどんオマエにハマってく。もっとオレを愛して。狂っちまうくらいにさ」
ちゅっとキスをされる。
「二人でどこまでも堕ちて…歪んだ愛に溺れて…オレと一緒にこの世界で生きよう」
「(この世界で…一緒に…)」
「誰にもオマエを渡さない。オマエはオレだけのモノだ。オマエの願う幸せはオレが絶対に守る。だからオレの隣でずっと笑っててくれ」
「もちろんです。私は自分の幸せもマイキーくんの幸せも願います。この先どんな過酷な運命が待ち望んでいようとも…私は諦めません。だから私の傍にずっといてくださいね」
「オマエの傍を離れるとかありえねぇよ。カノは遠い未来の先まで、ずっとオレと一緒にいんの。その為の"予約"なんだからな」
マイキーはカノトの手を取り、左手の薬指にちゅっと軽く口付ける。
「そういえばマイキーくん」
「何?」
「マイキーくんが噛み跡付けたりするから絆創膏で隠して登校したんですけど…友達に怪しまれて大変でしたよ」
「絆創膏?」
ジト目で見てくるカノトをスルーし、マイキーは首の後ろに手を伸ばすと、うなじに触れた。
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