第32章 好きな人の初恋の人
「マイキー…くん」
「そんな甘い声で呼ぶなよ。ソファーじゃなくてベッドに押し倒して色々したくなるだろ」
手を繋がれたままソファーに腰掛けたマイキーの上に跨って座り、抱き合う形で再び唇を重ねた。
「んん……はぁ……ぁ、んん……んぅ……」
くちゅくちゅと卑猥な音を立てながらマイキーの舌が生き物みたいに動き回り、カノトの舌を捕らえようとする。
「ん!?ふ、ぁ……んんッ……は……ぁ……」
「逃げないでちゃんとオレの舌追って」
「んぅ……んんっ……はぁ……んむ……っ」
「そうそう」
「ぁ、ん……まいきーく……」
「もっと口開けろ」
「はぁ……んん……んぅぅ……」
「もっと」
「んっ……んん……は……ぁ……んッ」
「じょーず。もっと口開けたらちゅーすんの更に気持ちいいだろ?」
「気持ち…よくて…変になる…」
「変になれよ。オレのキスでもっともっと…おかしくなればいい」
「んん……ッ」
ちゅぅっと唇が押し付けられる。
「キス…気持ちよくて泣いてんの?」
何度もキスを繰り返す内に生理的な涙まで浮かび始める。頬を紅潮させ、甘い吐息が漏れ、何も考えられない頭で本音を呟く。
「だって……」
「ん?」
「マイキーくんとキスするの…気持ちよくて好きなんだもん…」
「…………っ」
不意打ちを食らったマイキーは驚いた顔をした後、頬を紅く染めた。
「…なに今の。可愛すぎ…」
照れた顔を隠すようにカノトの胸に頭を寄せる。マイキーの旋毛を見下ろしながらカノトは不思議そうに首を傾げる。
「マイキーくん?」
「…今のはずりぃ。オレがオマエを照れさせるつもりだったのに…そんな可愛いこと言われたらオレの方が照れるじゃん」
「私、マイキーくんを照れさせるようなこと言いました?」
「無自覚怖ぇ〜」
胸に顔を埋めたまま、可笑しそうに笑う。ますます不思議そうな顔を浮かべるカノトにマイキーは伏せていた顔を上げ、愛おしげに見つめる。
「オレも好きだよ、オマエとキスすんの」
「!」
「なんなら毎日でもしたいくらい」
「ま、毎日…」
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