第31章 思い出は黒く塗り潰される
「だから…マイキーくんがお見舞いに来てくれた時…凄く嬉しかったんです…っ」
「そっか」
「私の生い立ちなんて聞いても面白くないですけど…それでも…いつかマイキーくんに聞いてほしいです。心の準備が整うまで…待っててくれますか?」
「待つよ、いつまでも。でもオマエの言う"誰か"が今でもオマエを苦しめてんなら…オレがそいつを潰す」
「…マイキーくん」
「なぁに」
「大好き」
「オレは愛してるけどね」
「私だって愛…愛してます、よっ」
「いつまで経っても初々しい反応するよな。そこが可愛いんだけどさ」
「…愛してますよ」
「照れながら言い直すトコも可愛いよ」
「わざわざ言わなくていいです…」
「さて…長話が過ぎたな。ボタン全部外し終わってんのにいつまでもこの格好のままだと更に風邪引くか」
「(マスクずっと顎の下に引っ掛けたままだった…!マイキーくんに移す…!)」
慌ててマスクをする。
「キャミも脱いで」
「やっぱり恥ずかしい…」
「強引に脱がせてほしい?」
「ぬ、脱ぎます…!」
上のパジャマを脱ぎ、キャミの裾に手を掛けたところでピタリと留まる。
「(この下、ノーブラ…)」
「何で留めんだよ。早く脱げってば。それとも本当にオレに強引に脱がされるの待ってんの?」
「マイキーくん後ろ向いてください…」
「キャミ脱ぐとこ見たいからやだ」
「見ても何も面白くないです」
「あーもう!!いいからさっさと脱げ!!」
いつまでも脱がないカノトに業を煮やしたマイキーがキャミの裾を掴み、強引に上から脱がせば、そこから顕れた乳房がぷるんっと揺れた。
「やっ……!」
片手で乳房を腕で隠す。
「ご、強引過ぎじゃないですか!?」
「いつまでも渋ってるからだろ。ほら、背中拭いてやるから後ろ向いて」
くるっと後ろを向かせられ、マイキーが程よく温まった濡れタオルで背中を拭いてくれる。
「気持ちいい?」
「はい。温かくて気持ちいいです」
「ほんと肌白いよな。日焼けとかしねぇの?」
「あんまりしませんね。子供の頃から白かったので日焼け止めも塗ったことないです」
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