第3章 ふたりを繋ぐ証
“じゃあ今度一緒にココア飲みましょう”
“絶対な!”
“はい!”
「買い物だけじゃなくてココアを一緒に飲む約束まで増えてしまった…」
“疲れてんのに付き合わせちゃってごめん”
“僕は楽しかったですよ”
“カノは優しいなー。そう優しいとさ…オレ、もっと我儘言ってカノを困らせちゃうよ?”
「!」
“…どんな我儘ですか?”
“オマエがオレから逃げられないようにする為の我儘。”
「逃げられないように…?」
“例えば…『もしオレから離れようとしたら…オマエを殺す』とか。”
「っ………!?」
思わず携帯を落としそうになった。
「すごく物騒なんですけど!?殺すって何!?え…マイキーくん怖っ!!」
とりあえず返信を返さなきゃ…
“殺されたくないんですが!?”
するとすぐ返事が返ってくる。
“うん、オレもオマエを殺したくない。”
「(あれ?あれれ?)」
最初はココアの話だったのに途中から何やら物騒な話に…。
“だからさ…カノ。”
“もしオレから離れようとしたら…”
“オマエを殺す。”
「……………」
あまりのショックに固まる。
「(え…え?私、殺される…?)」
あのマイキーくんに?
無敵と恐れられた男に?
「我儘っていうか…脅迫だよ…」
するとまたマイキーくんからメールが届く。恐る恐る内容を確認した。
“なんてね♥”
「………は?」
“返信遅かったから、もしかして本気で受け取ったんじゃないかなーて思って。”
“冗談だよ。オレがオマエを殺すわけないじゃん。つーか殺すとか物騒。”
「あ…貴方が言ったんですけど!!?」
からかわれただけだと知り、怒りでわなわなと体が震えた。
“マイキーくん、マジふざけんな、です。”
“はは!カノ口悪ィ〜!”
“本当に勘弁してください”
“ごめんごめん。”
「(いや軽っ!)」
“ちょっと意地悪しちゃった♥”
“…ココア、一緒に飲みませんよ。”
“それは絶ッ対ェやだ!!”
送ってから10秒もしないうちに返信が返ってきた。
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