第3章 ふたりを繋ぐ証
「パーの親友(ダチ)やられてんのに“愛美愛主”に日和ってる奴いる?」
マイキーはメンバー達を見回す。
「いねえよなぁ!!?」
当然だと言わんばかりにメンバー達も笑う。
「“愛美愛主”潰すゾ!!!」
高々に宣言した総長の言葉に東卍のメンバー達は拳を突き上げ一斉に声を上げて叫んだ。
その圧倒的な空気感に二人は圧倒される。これが東卍。これが東卍を束ねる総長。カノトは自信に満ちた顔で笑んでいるマイキーを見つめた。
「8月3日。武蔵祭りが決戦だ」
「(8月3日…)」
「(ドラケンが死ぬ日!?)」
タケミチとカノトは驚いた顔でお互いを見た。
✤ ✤ ✤
その夜────。
「予習は終わりっと…。はぁー…疲れた。ココアでも淹れようかな」
ノートを閉じて立ち上がろうとすると携帯にメールが届いた。パカッと開いて相手を確認すると…
「!」
“今何してる?”
マイキーからだった。“予習が終わったのでココアを淹れに行くところです”と返信を打ち、携帯を置いたまま部屋を出る。
少し冷たいココアを淹れて部屋に戻ってくるとマイキーから返事がきていた。
“いいなーオレもココア飲みたい。”
それに対してまた返信を返す。
“甘くて美味しいですよ”
“今度一緒に飲も”
“はい”
“缶の奴じゃなくて粉のやつね!カノがオレのココア作って!”
「(気付いちゃいけないと分かっているのだけど…恋人みたいなメールのやり取り!!)」
“家の人に作ってもらった方が早いのでは?”
“…………。…やだ。”
「(えぇ…なんか一瞬で気分下がった!?)」
“マイキーくん?”
“……………。”
“マイキーくーん?”
“オレはオマエに作ってほしいのに…カノが一緒に飲んでくんねーとココア飲まない。”
「(分かりやすい程の拗ね方…!!)」
総長としてみんなの前に立つマイキーとココアを淹れてもらえないと分かるとそれだけで拗ねてしまうマイキーとのギャップに驚きつつも、可笑しくて笑ってしまう。
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