第3章 ふたりを繋ぐ証
「やめろや。総長の客に手ぇ出すなや“パー”」
睨み合いが続く中、三ツ谷が割って入り、パーに注意をした。カノトは震える身体を必死に抑え込み、小さく息を吐く。
「キヨマサの件はアイツが勝手に東卍(ウチ)の名前使って喧嘩賭博なんてやってたのがナシって話だろ?」
「あ!?オレぁバカだからわかんねーんだよンなコト!!」
「パーちんの脳みそはミジンコだぞコラ!!」
「わかんねーなら出しゃばんなボケ!!」
「オイ“パー”!!」
ピクッ
「黙ってろ」
「…………ちっ」
「ごめんドラケン!」
パーは舌打ちをした。
「カノちゃん…殴られたらどうするんだよ。マジで勇者様かよオマエ…」
「…死ぬかと思った」
「しっかりしてよ勇者様」
ぷるぷると震えるカノトにタケミチは笑いながら言った。
「許してやってくれよ、二人とも」
「無茶苦茶な人っスね」
「ビックリしました」
「パーは今、気ィ立ってるからよ」
「“愛美愛主”の頭は“長内”って奴なんだけど、ちょっとした事でパーの親友とモメてな」
「え?」
「パーの親友は愛美愛主のメンバーに袋叩きにされて、更に目の前で彼女レイプされて親兄弟吊るされて金巻き上げられて」
「……………」
「で、藁にもすがる思いでパーに相談してきたんだ。そんなんガキの喧嘩じゃねえだろ?」
「…ひでぇ…」
「胸くそ悪いですね。ムカムカします」
「愛美愛主はそういうチームなんだよ」
「(…そっか。現在の東卍みたいだな。)」
そしてパーはマイキーに頭を下げる。
「どうする?パー。ヤる?」
「…相手は2つ上の世代だし、東卍(ウチ)もタダじゃすまないし、皆に迷惑かけちゃうから。………。でも…悔しいよマイキー」
「んな事聞いてねぇよ。ヤんの?ヤんねえの?」
「ヤりてえよ!!!ぶっ殺してやりてえよ!!!」
「だよな」
本心を語るパーの思いを分かっていたかのようにマイキーは笑った。
「東卍(こんなか)にパーの親友(ダチ)やられてんのに迷惑だって思ってる奴いる!?」
立ち上がりマイキーは叫ぶ。その質問にメンバー達は答えない。
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