第30章 溺愛彼女は我儘彼氏の甘やかしえっちで何度もイかされて(♥)
マイキーがステージ裏から出ると、こちらに向かって走って来る人物がいた。
「マイキーくん!!」
嬉しそうに駆け寄って来るカノトを見て、ハイライトを無くした目に光が戻り、冷たかった顔は自然と笑みが零れ、飛び付いてきたカノトを抱き留めた。
「カノから抱き着いて来るなんて珍しいじゃん。少し離れただけなのに寂しくてここまで追いかけて来たの?」
ぎゅっとカノトを抱きしめ返す。
「さっきの告白、凄く嬉しかったです。好き、マイキーくん。私も世界で一番、愛してます。この先もずっと一生涯、マイキーくんの傍にいて貴方を支え続けます」
「その言葉、忘れんなよ?オマエはオレの失くした部分を補ってくれる"最後の心の拠り所"だ。オマエまでオレの前から消えちまったら…オレはきっとおかしくなる」
「大丈夫です…。私はマイキーくんを独りにしたりしません。貴方の心が壊れないように私がずっと傍にいます」
ぎゅぅっと抱きしめる手に力を込める。
「オマエがいない世界を…想像したくねぇ。オレはもう…オマエ無しじゃ生きていけねぇんだ。光が無ぇと…オレは何処に帰ればいいのか、分からなくなる…」
「心配いりません。私はマイキーくんの光です。貴方が道に迷わないように、私がちゃんと"帰る場所"へと導いてあげます。だから…私のいるこの世界で一緒に生きてください」
「…うん。オマエのいる世界がオレの幸せだ。ちゃんと守るよ。オマエのことも、オマエが願う幸せも、全部…。誰にも壊されねぇように…オレが絶対に守ってみせる」
「私もマイキーくんを守ります。貴方が守ろうとする世界を、大切な人達を、今ある幸せが壊れないように…マイキーくんが独りで寂しくならないように…私が絶対に守ります」
顔を上げ、強い瞳でマイキーを見る。ふと小さく笑んだマイキーは指先でカノトの顎を掬い上げ、チュッと唇を重ねた。
「んっ」
「やっぱりカノはカッケェな。オレさ…オマエの前では強い佐野万次郎でいられないんだ。弱音は吐かねぇようにしてるのに…どうしてか、カノにはありのままのオレを見て欲しくて」
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