第30章 溺愛彼女は我儘彼氏の甘やかしえっちで何度もイかされて(♥)
「さっきも言ったろ。アイツはダチの為なら命張れる奴だ。いつも自分から危険な道に進んで、傷付いて無茶ばかりして、それでも大事なものを守る為に一生懸命になってんだ」
そう話すマイキーの顔が柔らかげに笑む。
「オレはアイツのそんなところにも惹かれた。怖くても必死に相手に立ち向かって、守りたいもん守ってさ。まじで勇者なんだよな」
「(こいつが…俺の知らないカノトのことを話す度に胸の奥底から熱い何かが込み上げる。黒い渦みたいなものが支配して…イライラもずっと収まらない。)」
「これで分かっただろ?オマエがいくら頑張っても、アイツの心はオレにある。それに初恋は実らないって言うしな」
「……………っ」
「誰にも渡さねぇ。アイツはオレだけのモンだ。テメェに奪われてたまるかよ」
しっかり牽制しておいて、マイキーは階段を降り始める。だがあそこまでハッキリと言われて"分かりました"と納得する悠生ではない。
「アンタ、相当独占欲が強いな。カノトに向けるその愛、狂ってるよ。"好き"や"愛してる"って言葉で、アイツを支配するつもり?アンタはアイツをどうしたいわけ?」
マイキーはピタッと足を止める。
「…アイツはオレの手を取った。オレはアイツの覚悟を受け取った。だからオレはアイツをもう二度と手放せない。…手放してやれねぇ。この愛が狂ってる?そんなの…アイツを好きになった時からもう狂ってんだよ」
黒い瞳を悲しげに揺らし、マイキーはどこか切なそうに笑う。
「束縛の強い男は嫌われるって知ってる?」
「…テメェとの会話はもう飽きた。カノが待ってんだ。これ以上長話に付き合うつもりはねぇぞ」
マイキーは面倒くさそうに溜息を吐く。
「ねぇ、その"カノ"って呼び方、もしかしてカノトの愛称?」
「!」
「なんか女の子みたいで可愛いし、俺も今度からそう呼ぼうかな、"カノ"って───」
ダンッ!!
「!?」
そう呟いた瞬間、目にも留まらぬ速さでガッ!!っと胸ぐらを鷲掴まれ、そのまま横にある壁にダンッ!!と強く押さえ付けられた。
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