第30章 溺愛彼女は我儘彼氏の甘やかしえっちで何度もイかされて(♥)
「やっぱりどう考えてもアイツがオマエを好きになる可能性はゼロなんだよなぁ」
「……は?」
「だってアイツ、オレと将来を誓い合った仲だもん。薬指に予約もしたしな。だからアイツは永遠にオレのモノなんだよ」
「(将来を誓い合った仲?…何だよそれ。すげームカつく。)」
「もう一度、言うぞ。初恋は実らない。オマエが向ける想いは、永遠にアイツに届くことはねぇ。だから早く諦めて、次の恋探せよ」
「…うるせぇな。アンタに言われると心底腹立つんだよ。恋人だから何だ?誰よりもアイツの事を知ってるから何だって言うんだ?…初恋が実らないなんて誰が決めたんだよ!」
ダンッ!!
苛立った悠生は横にある壁を殴る。
「アンタにアイツは渡さない。アイツを守るのは俺だ。必ず…奪ってみせる」
「テメェじゃアイツを守れねぇよ」
「何でそんなこと分かる?好きな奴を守りたいって思うのは当たり前のことだろ?カノトは俺が守る。アイツには怪我の一つも負ってほしくない」
切実な思いにマイキーは可笑しそうに笑う。
「分かるんだよ、アイツの恋人だから」
「!」
「確かに好きな奴を守りたいって気持ちは分からなくもねぇ。ただ…アイツは違う。"守られること"を嫌うアイツは、きっとオマエが『俺が守るから後ろに隠れてろ』なんて言っても、ぜってぇ納得しねぇよ?」
一緒に過ごして来たから分かるのだ。カノトは絵本の中のお姫様のように、ただ王子様に守られるだけの存在じゃないことを。友達の為なら命を張れる奴だってことを…マイキーは知っている。
「きっとアイツは拒絶する。自分も一緒に戦うって言うだろうな」
「戦う?カノトが?…何言ってんの?アイツは喧嘩ができるようなタイプには見えねぇよ。むしろ最初にボコられそうなタイプだろ?」
「テメェが何言ってんだ」
「!」
「喧嘩ができるようなタイプには見えない?フッ…見た目に騙されンなよ?アイツはああ見えて喧嘩はめちゃくちゃ強ぇ。初めてアイツの喧嘩を見たオレでも驚いたくらいだ」
「カノトが…喧嘩…?」
悠生は信じられないと云うような顔を浮かべ、驚いている。
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