第30章 溺愛彼女は我儘彼氏の甘やかしえっちで何度もイかされて(♥)
マイキーは緩んだ嬉しそうな顔で笑い、みんなの前で惚気ける。その告白に恥ずかしながらも微笑み、涙を浮かべるカノト。
《オレがオマエを幸せにしてやる。また二人で遠出してたくさん思い出作ろうな。だから一生涯、オレの傍にいてくれ。オマエの存在がオレの心の拠り所だ。》
「プロポーズにしか聞こえねぇよ」
そう言って三ツ谷は呆れながらも笑う。
《ねぇ、オレの愛しい恋人さん。》
《オレの想い、ちゃんと届いた?》
優しく微笑むマイキーの言葉に涙を流し、嬉しそうな顔で大きく頷く。それを見たマイキーは"良かった"と笑い、マイクを司会者に返す。
「……………」
涙を流し嬉しそうに笑うカノトを見た悠生はつまらなさそうな顔をしている。
「…牽制ね。やっぱりカノトの恋人だったのか。クソ…アイツが邪魔してくれたせいで、俺の告白はアイツに届かず台無しだ」
悔しげに嘆き、掌を強く握りしめる。ステージから降りるのは危ないからやめてくれと司会者に頼まれた二人は後ろにある階段から降りるように言われ、マイキーが先に降りた後、悠生もその後に続き、ステージから離れた。
《えーと…予想外の展開になりましたが!只今より吾妻悠生君の評価に入ります!!観客の皆様!!ボードに点数を書いて下さい!!》
「(マイキーくん、行っちゃった…)」
「お前の旦那は相変わらず嫁へのラブコールが強ぇな。見てるこっちがお前らの甘さに酔いそうだわ」
「だ、だん…!?っ、ドラケンくん!!からかわないでください…!!」
「けどさ」
「?」
「お前がマイキーの傍にいてくれて本当に良かったよ。カノがあいつを支えてくれてるおかげで、あいつは自分を見失わずにいられる」
「だな。俺からも礼を言うよカノ。マイキーと出逢ってくれて、あいつを好きになってくれてアリガトな。それと…俺らとも出会ってくれてありがとう」
「ドラケンくん…三ツ谷くん…」
「ほら、行けよ。あいつに会いに行きてぇんだろ?」
「俺らはもう帰るからさ。マイキーのこと、これからもよろしくな」
「はい…!」
ぺこっと頭を下げ、カノトは観客の輪を抜け出すと、ステージ裏に走って行った。
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