第30章 溺愛彼女は我儘彼氏の甘やかしえっちで何度もイかされて(♥)
「けどオレには勝てねーよ。オマエよりオレの方がアイツを想う気持ちが強ぇからな。テメェじゃオレの足元にも及ばねぇ」
「…随分な自信家だな。じゃあお前はアイツの何を知ってるって言うんだ?」
「教えてやんねー」
「は?」
「アイツの全部はオレだけが知ってればいい。オマエが知りたがってる色んな表情も、知ってるのはオレだけでいい。」
マイキーは挑発的な視線を向ける。
「アイツを守んのはオレの役目だ。テメェじゃアイツを守れねーよ。もうアイツはオレらの世界に足を踏み込んだ。"そいつら"は必ずアイツを狙う。だからオレがいねぇとダメなんだ」
そして観客達に体を向け、口元にマイクを近付けると、悠生を見ていた冷たい眼から優しい眼差しに変わり、柔らかい笑みを浮かべ、カノトを見た。
《オマエはオレの光だ。道に迷ったオレを光のように照らして、"帰る場所"を教えてくれる。オマエが道標になって、オレの手を離さず、ずっと繋いでいてくれるから、オレは壊れずにいられる。》
「(マイキーくん…?)」
《でもオレと一緒にいたら、きっとオマエは泣いて傷付く事もある。それでもオレはオマエの幸せを壊さねぇように、傍で守り続ける。オマエがこの先もずっと…笑って過ごせるように。》
目を閉じ、カノトに想いを馳せるマイキー。そんな彼の告白を観客達はただ黙って静かに聞いていた。
「(ねぇマイキーくん。私、とっても幸せだよ。貴方が私の幸せを大切に願って、壊れないように守ってくれてるから…私は貴方の傍にいて幸せなの。だから…傷付けるかも知れないなんて、思わないで。)」
《オマエは優しいだけじゃねぇんだよな。少し泣き虫で、恥ずかしがり屋の照れ屋で、ダチの為なら命張れるカッケェ奴で…オレよりも心が強ぇ、おとぎ話に出てくる勇者みてぇな奴だ。》
「!」
《勇者?》
悠生は不思議そうな顔をする。
「確かにカノは勇敢なイメージあるわ。喧嘩賭博でキヨマサに傷付けられたタケミっちを守る為に命張ってたもんな。あの時マジで勇者っぽかった」
「必死だったんです。卑怯な手を使って大事な友達を傷付けようとしてたから。でもマイキーくんとドラケンくんが来てくれて助かりました」
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