第30章 溺愛彼女は我儘彼氏の甘やかしえっちで何度もイかされて(♥)
「!」
その思いを汲み取ったマイキーは微かに目を見開き、何かを決意した後、観客の輪をかき分け、ステージの方へと歩き始めた。
「は!?マイキー!?」
「おい!どこ行くんだよ!?」
三ツ谷とドラケンもマイキーの行動に驚き、声を掛ける。だがマイキーは止まる事なく、ひょいっと身軽にステージの上に飛び乗る。
「あいつ、何するつもりだ…?」
「めっちゃ注目浴びてんじゃん…」
観客達も突然現れたマイキーに驚いている。
「貸せ」
司会者からマイクを奪い取り、悠生を見たマイキーは無表情で言った。
《どう頑張ったって、この先オマエの初恋が実ることはねぇよ。》
「(マイキーくん何してるの!?)」
「誰だよお前。急に割り込んでおいて何言ってんの?」
「オレが誰かはテメェが知る必要はねぇ。ただ…言いたいことがあってな」
そしてマイキーは冷たい表情を浮かべた。
「人のモン、横取りすンじゃねーよ。アイツはずっと前からオレだけのモノなんだよ」
「!」
「勝手に告白とかすんな。"大好き"とか言っちゃってくれてるけど…アイツが好きなのはオレだ。この先、オマエのことを好きになる可能性もねぇ。だからとっとと諦めろ」
「あ……?」
不躾なマイキーの言葉と無神経な態度に悠生も顔をしかめ、苛立った様子でマイキーを睨む。
「ちょ、ちょっと二人とも!!勝手にバトらないで!?そして顔が怖いよ!?ていうか君…!!勝手に乱入して来てどういうつもりだよ!?」
「あ?」
「ひっ!?」
総長としての顔が一瞬だけ表に現れ、その威圧的な迫力に司会者も怖がり、情けなく小さな悲鳴を上げた。
「…アイツに一目惚れしたって言ったな?」
「……………」
「テメェのそれは一目惚れなんかじゃねぇ。ただ珍しかったんだろ?自分に今まで関わってきた奴らと全く違うタイプだったから興味を持ったんだろ?…笑わせんな。テメェがアイツに寄せてる想いはただの錯覚だ」
「!」
「錯覚に惑わされた偽物の恋だ。アイツ自身を好きになったわけじゃねえだろ?」
「ふざけんな…。何なんだよお前。アイツに対する俺の想いが偽物?…そんなはずないだろ。ちゃんとアイツ自身が好きに決まってる!」
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