第30章 溺愛彼女は我儘彼氏の甘やかしえっちで何度もイかされて(♥)
怖くて隣にいるマイキーの顔を見れない。彼が今、どんな思いで悠生の告白を聞いているのか。彼の云う想い人が自分だと気付いたら、一体どんな顔をするのか。
「(ずっと喋ってないけど…怒ってる?)」
《いやぁ〜!吾妻君に一途に想われるそのお相手が羨ましい!!…それで?"気持ちを改めて伝えておきたくて"って言ってたけど、その人には告白したの?》
《したけどハッキリ断られたよ。それでも諦め切れなくて何度も想いを伝えてはいるんだけど見事に玉砕。恋って中々難しいね。》
悠生は肩を竦めて軽く笑う。
《ほほう?こんなイケメンをフり続ける女子がいると?それは実に興味深いですな〜!》
《でも、簡単には諦められないんだ。フられた癖にいつまで想い続けるんだよって思うかも知れないけどさ…そいつじゃなきゃダメなんだ。》
悠生は切なげに呟く。
《俺はどうしてもそいつが欲しい。絶対に誰よりも大切にする自信がある。だからこの場を借りて、その人にもう一度伝えたい。》
観客達はザワつき始める。溝中で二番目にモテる男が今からその想い人に告白をする。イケメンの告白だ。気にならない訳がない。窓から顔を出して見物している人達もいた。
《──ねぇ、ちゃんと聞いててね。俺、今から君に想いを伝えるから。》
「!」
悠生の視線が真っ直ぐカノトに注がれる。それを見て、ドキッと心臓が跳ねた。
《君が好きだよ。こんなに誰かを好きになったのは初めてなんだ。君と出会えたことは必然だと思ってる。》
「(必然なんかじゃない。君とあの店で出会ったのはただの偶然に過ぎない。)」
《この先、俺は君しか好きにならない。恋する相手はいつだって君でありたい。こんなに胸が温かくなるのは、君という存在がいるおかげなんだ。》
「(違う…違う。お願い…諦めて。君がいくら頑張っても、私は君の想いに答えられないんだよ。)」
悠生の告白に胸が痛くなり、辛そうに顔をしかめる。
《…いつまでも困らせてごめん。》
「!!」
《君を諦められなくてごめん。でも無理だ。一度芽生えた恋を消すことなんて俺にはできない。こんなにも君が好きで堪らないんだ。だから…俺の初恋を実らせてほしい。》
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