第28章 薬指に永遠の口付けを
「おねえちゃん!よかったねえ!おにいちゃん、おねえちゃんのこと大好きだって!」
「あ…うん、そうだね…」
振り向いたマイキーがカノトの顔を見て可笑しそうに笑う。
「ふはっ、カノ、照れすぎ!顔真っ赤になってゆでダコみてぇじゃん!」
「誰のせいだと思ってるんですか…」
「本当のこと言っただけだし」
マイキーは恥ずかしさで死にそうなカノトの手を引き、女の子に手を振って、歩き出す。
「どこ行くんです?」
「二人きりになれるトコ。オマエのそんな顔見たら抱きしめてキスしたくなった」
「!」
目に付いた空き教室に入ったマイキーはドアの鍵を閉め、まだ頬に紅みが残るカノトに向けて両手を広げる。
「カノ、ぎゅってしよ。」
「今さっきしたばっか…」
「あれだけじゃ足りねぇ。早く。」
不満げに頬を膨らませるマイキーの胸に飛び込む。ぎゅっと抱きしめられ、その心地良さに目を閉じる。
「(やっぱりマイキーくんに抱きしめられてるとすごく安心する。…あったかい。)」
「あーやっぱカノ抱きしめてるとすげー安心する。あったけぇ。」
「!」
同じことを思っていた事に驚き、閉じていた目がパチッと開く。
「私も同じこと思ってました」
「ほんと?」
「はい」
「じゃあオレら、心も通じあってんだな!」
「通じあってます…?」
「なんだよその顔〜!通じあってるに決まってんじゃん!だってオレ、カノの考えてること分かるし!」
「なら、今私が考えてること分かりますか?」
マイキーくんともっと一緒にいたい
この先もずっと、未来の先まで。
「超ヨユーだし!オレにオマエの考えが分からないわけねーだろ!」
随分と自信満々に宣言されたので、少し意地悪な質問をしてみることにした。
「じゃあ当ててみてください。私が今、マイキーくんに思っていることを。」
するとマイキーは迷わず答える。
「オレとちゅーがしたい♥」
「は?」
「カノは今!オレとすげーちゅーがしたくてしたくて堪らない!」
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