第28章 薬指に永遠の口付けを
《なんかオレ一人だと不安だからって勝手に着いて来た。せっかくカノと二人っきりで文化祭デートできると思ったのに!》
「(あーなんか納得かも。きっとマイキーくんが何かやらかすと思って心配で着いて来たんだろうな。)」
《んで?どこに行けば会える?せっかく来たのにカノに会えないとかやだ。早く会いたい。メイド姿見して!》
「場所さえ教えてくれたらこっちから行きますよ。何か目印になるようなものはありますか?」
《んー…目印っつっても出店ばっかだしな。…あ!たい焼き!美味そー!》
「(たい焼きの出店のとこにいるのかな。)」
《カノ!オレらたい焼き売ってる店の前にいるな!》
「分かりました。そろそろ休憩なので今向かいますね」
《あー…でもオレから迎えに行きたい。なぁ、迎えに行っていい?》
「たい焼き、食べるんじゃなかったんですか?楽しみにしてるんでしょう?」
《たい焼きよりオマエに早く会いてぇの!それにたい焼きはケンチンに並んでもらうし平気!》
《何で俺なんだよ!?自分で並べ!》
「(あ。ドラケンくんの声。)」
《三ツ谷!オレ、カノ迎えに行って来る!》
《分かった。カノの分のたい焼きも買っとくって言っといて。あんこでいい?カスタード?》
《カノ!たい焼きの中身何がいい?あんことカスタードと…》
《あ、ココアクリームのたい焼きもある。なんかイチオシって書いてあるけど…》
《ココアクリーム味のたい焼き!》
「そんなのまであるんですね。イチオシなら食べなくては。えーと…あんことココアクリームで」
《了解!ケンチ〜ン!あんこ二つとカスタード一個とココアクリーム一個ね!》
《人に頼む前にちったぁ自分で並んで買え!なんで俺がお前の代わりに並んでんだ!》
「(文句を言いつつ並んであげてるのがドラケンくんの優しいところだよね。)」
《カノの分は俺が出すけど、お前は自腹だからな!》
《はぁ!?オレも奢ってくれたっていいじゃん!ケンチンのケチ!》
《お前ら…こんなところで喧嘩すんなよ。ドラケン、俺も半分出すし、そう怒んなって。ほらマイキーも。カノ迎えに行くんだろ?》
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