第28章 薬指に永遠の口付けを
「店長ー!!なんかコイツらすげーいちゃもん付けてくるんだけど〜!!」
「店長!!この人達のせいでうちの売上が落ちそうでーす!!」
「店長…?」
カーテンで仕切られている方に向かって叫ぶ。するとゴゴゴ…ッと危険な空気を纏わせ、怒り顔で現れたのは…。
「あたしの売上を邪魔する奴はどこだ…?」
「「ひっ!?」」
執事服を着た、我がクラスの最強委員長様だ。お金をがっぽり稼ぐ為にたくさんの客を呼び込み、売上も上々になってきた頃に"迷惑客"の存在と聞いて随分とお怒りの様子だ。
「(怖っ!!髪がメデューサみたいにうねって逆立ってるよ!?)」
彼女は青ざめた顔で怯えている男達の前に立ちはだかる。
「で…?さっきから何の騒ぎ?アンタら、うちのメイドに何かしたんじゃないでしょうね?」
「あ!?俺達は別に…!!」
「僕に触りました。加えて下品な言葉を吐き、胸まで触ろうとしたので注意したら逆ギレされました」
「そこに俺が助けに入った。まぁ、それでも他のお客さんの迷惑になったのは間違いないけどね」
「明らかに営業妨害だよ」
「へぇ…それは困ったわね」
二人から話を聞いた彼女はワントーン下げた声を出し、男達を鋭く睨みつける。
「ふざけんな!!そっちが客に逆らうのが悪いんだろ!!」
「別に女に触った訳でもねーのに大袈裟なんだよ!!」
「ちょっとからかって遊んだだけじゃねーか!!」
「…さっきから理不尽な言い訳ばっかしてんじゃねーよバカ共が。」
「な…なんだよ」
「うちはメイドも執事もお触りは禁止って注意書きにも書いてあんだろーが。それとも字が読めないの?」
「バッ…バカにすんな!!」
「字くらい読めるっつーの!!」
「ガキじゃねーんだぜ!?」
「だったら分かるわよね?アンタ達みたいな下衆野郎にうちのメイドが御奉仕するオプションは付いてねーんだよ」
「(おぉ…あれだけ威勢が強かった奴らが彼女の迫力に押されてる。)」
「女に飢えてんなら家に帰ってAV鑑賞でもしとけ」
「こ、この女…!!」
「俺達のこと馬鹿にしてんのか!?」
バンッ
「「!!」」
苛立つように委員長はテーブルに手を叩きつける。
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